成長のマネジメント【経営のヒント373】
今日は第60章「成長のマネジメント」。
2009年5月7日から始まった『マネジメント』についてのこのメルマガも、いよいよ残すところ3章のみと
なりました。
では今日の一言からです。
<ドラッカーの一言>
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成長は不連続である。成長のためには、
ある段階で自らを変えなければならない。
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『マネジメント<下>』p.238 1973年 ダイヤモンド社
成長のマネジメントというテーマにハッとさせられます。
「成長は自動的に起こらない」とドラッカー教授は、この章を始めました。
適切なタイミングで、適切な市場に、適切な財やサービスを提供し続けることは成長の前提条件であり、
それは成長そのものではないと指摘しました。確かにそれは手段であり、適切かどうかは結果です。
成長をマネジメントすることが求められます。
成長自体のマネジメントとは何なのでしょうか。
ここでドラッカー思想における大前提を確認しておきます。
「成長そのものを目標にすることは間違いである。大きくなること自体に価値はない。よい企業になること
が正しい目標である」。
スタートラインからして間違えそうです。
よい企業の第一条件は、社会的な役割を果たし続けることです。
第二に、この過程で人を成長させることです。
「よい企業になるために成長は必要か」を問わなければなりません。
なぜなら「成長は負荷を伴う緊張状態」を生むからです。
その覚悟なしに成長に歩を進めると大やけどが待っています。
なぜ成長が必要かをよくよく検討しなければなりません。
低成長、ゼロ成長、マイナス成長であることは単なる環境要因であり、自社の成長とは切り離して考える
べきです。
ドラッカー教授は、経済のゼロ成長期は安定期ではなく、激動期であるといいました。
永く存続していると好況にも不況にも出合います。
それを乗り超えていくのが存続するよい企業ということになります。
規模が大きくなったばかりに存続の条件を満たさなくなった企業の屍は累々としています。
成長とは必要性の結果であり、覚悟の所産なのです。
今一度、なぜ成長が必要かを考えて見ましょう。
佐藤 等