規模の適切さ【経営のヒント 352】
今日も第53章「規模の適切さ」からです。
まずは今日の一言から。
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<ドラッカーの一言>
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規模は戦略に影響する。逆に戦略も規模に影響する。
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『マネジメント<下>』p.54 1973年 ダイヤモンド社
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ドラッカー教授のマネジメントは、大企業向けだと誤解している人がたまにいます。大から小まで目を配っているのがドラッカー教授のマネジメントです。
本章にも、次の文章にそのことが色濃く現れています。
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「小さな組織は、大きな組織にはできないことができる。小さいだけでなくシンプルであるために、反応が早く機敏である。資源を重点的に投入できる」。
逆に「大きな組織には、小さな組織にはできないことができる。長期にわたって資源を投入できる。」
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方向を変えるのに長けた小さな組織。
間接部門が小さい、過去の既存事業が少ないなど小さな組織には、資源の投下にメリハリをつけやすいという背景があります。
大きな組織はその逆です。
既に過去に多くの資源が投下され、現状では資源が非効率利用となりやすいという事情があります。
組織の大小は、変化の機敏性にも影響を及ぼします。
大型タンカーが方向を変えにくいのと同じ理由です。
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時に小が大を負かすことがあります。
機敏に大組織の弱点をついて、資源を生産的に集中投下することで勝ち抜く戦略です。
ドラッカー教授は『イノベーションと企業家精神』で「柔道戦略」という名前を披露しました。
それは、まさにこの原理に則ったものです。
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大組織では、見えているのに手にしない潜在機会が沢山あります。
小さな組織は、利用できる機会は少ないので見えなくても潜在機会を血眼になって探します。そして真剣に取り組みます。
「なぜわが社はその機会を見逃したのだろうか」とは、大組織の敗戦の弁です。
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戦略を巡る小と大の違いは、面白いポイントが満載です。
それぞれの規模の特性を生かして成果をあげたいものです。
佐藤 等