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組織の基本単位【経営のヒント 331】

今日から『マネジメント』<中巻>、「組織の基本単位」第42章から
お伝えします。

<ドラッカーの一言>
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組織の構造は、求める成果から始めなければならない。
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『マネジメント<中>』 p.212 1973年 ダイヤモンド社

組織には、「基本単位」があるといいます。それが本章のテーマです。
4つの視点で検討する必要があるとドラッカー教授は指摘します。
①何を組織の基本単位とするか
②何と何を一緒にするか。何と何を分離するか
③いかなる大きさと形にするか
④いかなる位置づけを行い、いかなる関係をもたせるか

④の位置づけと関係については、第43章で取り扱います。
それ以外の①~③は、同じ事を角度を変えて検討する必要がある
ことを教えています。「組織の基本単位」を知るための典型的な
方法は、「成果をあげるうえで必要な活動」のすべてを分析する
ことだといいます。

「成果をあげるうえで必要な活動」、当たり前の言葉なのですが、
いざ具体的にと言われるとチョット困ります。でも考えてみれば、
「成果をあげるうえで不必要な活動」を行うのはもっと困りものです。
つまり成果をあげるうえで必要な活動を特定しておかなければ、
暗中模索ということになります。つまり仕事の生産性改善など
夢のまた夢です。

ではあなたの組織の成果は何でしょうか。ドラッカー教授は、
有名な5つの質問の2つめとして「われわれの成果は何か」を
あげています。成果が定義できなければ、「成果をあげるうえで
必要な活動」を知ることはできません。したがって先ず成果を問う
必要があります。それゆえ「組織の構造は、求める成果によって
大きく変わってくる」のです。先ず成果から始めよという今日の
一言に合点がいきます。

言うまでもありませんが、5つの質問の第一問は、「われわれの
ミッションは何か」です。成果の前に問われるべきものであることを
確認しておきたいと思います。使命―成果―目標がマネジメントの
センターライン。この強化が欠かせません。

佐藤 等

ドラッカー教授

佐藤 等

<実践するマネジメント読書会®>創始者。『実践するドラッカー』(ダイヤモンド社)シリーズ5冊の著者。ドラッカー学会理事。マネジメント会計を提唱するアウル税理士法人代表/公認会計士・税理士。ナレッジプラザ創設メンバーにして、ビジネス塾・塾長。Dサポート㈱代表取締役会長。
ドラッカー教授の教えを広めるため、各地でドラッカーの著作を用いた読書会を開催している。公認ファシリテーターの育成にも尽力し、全国に100名以上のファシリテーターを送り出した。誰もが成果をあげながら生き生きと生きることができる世の中を実現するため、全国に読書会を設置するため活動中。
編著『実践するドラッカー』(ダイヤモンド社)シリーズは、20万部のベストセラー。他に日経BP社から『ドラッカーを読んだら会社が変わった』がある。 2019年12月『ドラッカー教授 組織づくりの原理原則』を出版。 雑誌『致知』に「仕事と人生に生かすドラッカーの教え」連載投稿中

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