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マネジメントとは教養である【経営のヒント 670】

マネジメントとは実践である。その成否は成果で判定される。
『経営の真髄』<上>p.56

マネジメントの成否は成果にあります。つまり組織の外の世界に変化をもたらすことにあります。第一に、顧客に満足をもたらすことです。

そのために必要なものが「実践」です。実践にはスキルが必要です。しかし同時に「マネジメントは人間に関わるものであり、価値観や成長に関わるものである。すなわち、それは人間学である」と続けました。

ドラッカー教授は、このことを受けて「マネジメントとは、まさに伝統的な意味における教養である」としました。リベラルアーツと訳される「教養」。

ドラッカー教授は、リベラルアーツの原義を次の表現に込めます。「知識、認識、英知、リーダーシップに関わりを持つがゆえに自由(リベラル)な人にふさわしいものであり、実践であるがゆえに身につける(アーツ)べきものである」―()内は筆者加筆。

ドラッカー教授が挙げた代表的な領域です。
・心理学
・哲学
・経済学
・歴史
・倫理
・物理
・人文科学
・社会科学
・自然科学

実に広大な領域ですが、マネジメントが単なるスキルの寄せ集めではないことがわかります。人類の古い叡智としてのリベラルアーツがマネジメントという姿で私たちの目の前に出現しているのです。自由で機能する社会を手にするために、実学(アーツ)としてマネジメントを身につけたいものです。

佐藤 等(ドラッカー学会理事)

ドラッカー教授

佐藤 等

<実践するマネジメント読書会®>創始者。『実践するドラッカー』(ダイヤモンド社)シリーズ5冊の著者。ドラッカー学会理事。マネジメント会計を提唱するアウル税理士法人代表/公認会計士・税理士。ナレッジプラザ創設メンバーにして、ビジネス塾・塾長。Dサポート㈱代表取締役会長。
ドラッカー教授の教えを広めるため、各地でドラッカーの著作を用いた読書会を開催している。公認ファシリテーターの育成にも尽力し、全国に100名以上のファシリテーターを送り出した。誰もが成果をあげながら生き生きと生きることができる世の中を実現するため、全国に読書会を設置するため活動中。
編著『実践するドラッカー』(ダイヤモンド社)シリーズは、20万部のベストセラー。他に日経BP社から『ドラッカーを読んだら会社が変わった』がある。 2019年12月『ドラッカー教授 組織づくりの原理原則』を出版。 雑誌『致知』に「仕事と人生に生かすドラッカーの教え」連載投稿中

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