本年もよろしくお願いします【経営のヒント 432】
明けましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いします。
このメルマガも13年目に入りました。
そして、とうとう『傍観者の時代』の第14章
「プロの経営者、アルフレッド・スローン」は年越えとなってしまいました。
この章から19回目になります。
<ドラッカーの一言>
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私は、当時まだ意識していなかったが、体系
としてのマネジメントを確立する本を書いた
のだった。
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『傍観者の時代』p.338 1979年 ダイヤモンド社
「彼は、私の著書『企業とは何か』は完全に無視した」。
ここにドラッカー教授の恨み節が記述されています。
「彼」とは、本章の主アルフレッド・スローンその人です。
スローンは、ドラッカー教授がGMを調査する際にも
「ずいぶん手間をかけて、彼の仕事のやり方やGMの仕事のやり方を説明」
してくれるなどとても協力的でした。
1954年には、MITに寄付した経営大学院スローンスクールについて助言を求められ、
教授陣への参加を求められていました。
このような良好なスタンスでしたが、『企業とは何か』は無視されました。
「非難はしなかった」といいます。
だが絶対に話題にせず、絶対に話題にさせず、
「あたかも存在していないかのように扱った」のです。
スローンが望んでいたものは、彼の著者『GMとともに』のような
「経営のプロとしてのマネジメントの確立」でした。
そのために後に『GMとともに』を書きました。
このようなスローンのアプローチと、ドラッカー教授のアプローチは
違っていたことを教授自らが悟ります。
そのアプローチは斬新なものでした。
それは問題意識が機能する社会における機能する企業にあったからです。
教授のアプローチはマネジメントの体系化にあったことを後に知ることになるのです。
そのことを示す言葉が今日の一言です。
ドラッカー教授は、スローンにとっては見当違いの問題に
取り組んでいたのだということに気づきます。
それゆえ無視されたのだと。
しかし彼らの交流はスローンの退職後も続くのです。
不思議な関係もあるものだと思います。
佐藤 等