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集中【経営のヒント 455】

今日のテーマは「集中」です。ドラッカー教授は、集中が成果をあげるための最大の秘訣であると述べました。

<ドラッカーの一言>
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集中のための第一原則は、生産的でなくなった過去のものを捨てることである。

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『実践するドラッカー思考編』p.224

ドラッカー教授が集中を語る時、ワンセットで述べられるのが廃棄です。
よく聞く言葉に「選択と集中」があります。

GEの元CEOジャック・ウェルチがドラッカー教授とともに生み出した戦略(1位人、2位戦略)に
関する言葉と言われています。
しかし筆者は「廃棄と集中」がことの本質を示していると思います。

集中とは資源の集中であり、活動の集中です。
特定の活動、たとえば事業や製品は活動の塊です。
ある事業から撤退する、売却するなどは、活動の廃棄を意味します。
活動の廃棄で得られるものは経営資源です。廃棄により資源が解放されます。
ここが重要です。ドラッカー教授の上記の言葉の意味するところです。

事業や製品といった組織の活動も成果をあげるための個人の活動も基本的には
考え方は同じです。
個人であれば活動を廃棄して、あるいは活動を人に任せて手にするものは時間という資源です。

ドラッカー教授は言います。
成果をあげない活動は何か。生産性が低下している活動は何か。
廃棄したり、任せたりして時間を生み出し、成果をあげる活動や生産性が高まっている活動に
時間をシフトさせます。

活動の再編成(リストラクチャリング)を常に意識します。活動を変えないということは、後退です。
なぜなら状況は常に変化しているからです。今の活動は、昔の意思決定の賜物です。
当時ベストであった意思決定も、古くなるのです。

そのために必要なのはフィードバックです。現状確認により廃棄対象を探索します。
廃棄とはとても積極的な行為です。意識して廃棄や委任に取り組みたいものです。

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<実践のための問い>
あなたが廃棄すべき活動は何か。あなたが任せるべき活動は何か。

佐藤 等

ドラッカー教授

佐藤 等

<実践するマネジメント読書会®>創始者。『実践するドラッカー』(ダイヤモンド社)シリーズ5冊の著者。ドラッカー学会理事。マネジメント会計を提唱するアウル税理士法人代表/公認会計士・税理士。ナレッジプラザ創設メンバーにして、ビジネス塾・塾長。Dサポート㈱代表取締役会長。
ドラッカー教授の教えを広めるため、各地でドラッカーの著作を用いた読書会を開催している。公認ファシリテーターの育成にも尽力し、全国に100名以上のファシリテーターを送り出した。誰もが成果をあげながら生き生きと生きることができる世の中を実現するため、全国に読書会を設置するため活動中。
編著『実践するドラッカー』(ダイヤモンド社)シリーズは、20万部のベストセラー。他に日経BP社から『ドラッカーを読んだら会社が変わった』がある。 2019年12月『ドラッカー教授 組織づくりの原理原則』を出版。 雑誌『致知』に「仕事と人生に生かすドラッカーの教え」連載投稿中

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