自己目標管理【経営のヒント 462】
今日のテーマは「自己目標管理」についてです。まずは今日の言葉から。
<ドラッカーの一言>
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今日必要とされているものは、一人ひとりの人の強みと責任を最大限に発揮させ、
彼らのビジョンと行動に共通の方向性を与え、チームワークを発揮させるためのマネジメントの原理、
すなわち一人ひとりの目標と全体の利益を調和させるためのマネジメントの原理である。
これらのことを可能にする唯一のものが、自己管理による目標管理である。
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『実践するドラッカー チーム編』p.90
原典―『現代の経営〈上〉』p.187
ドラッカー教授のマネジメントの本質の一つは調和のマネジメントです。
調和を図る対象は個人と組織全体です。
調和の意味するところは異なるものに方向性を与えることです。
異なるものとは個々人の個性、強み、経験、知識などです。
これらに方向性を与える道具がミッション(使命)、成果、全社の目標です。
この他にも全社や部門の目標を測定する尺度が方向性をシャープに示す役割を担っています(このテーマは次回にします)。
個々人がもっているものに方向性を与えるとき、その結節点、あるいは結び目となるのが「自己目標管理」です。
その方向性の中で「貢献すべきこと」を自ら考え、自己目標として決定します。
この際、「貢献すべきこと」がマネジャーが「期待すべき貢献」と合致していることが重要です。
一人ひとりは「自己目標」にしたがって意思決定し、行動します。
自己管理による目標管理とはこの仕組みをいいます。
ドラッカー教授は、個人と組織全体の調和を図るマネジメントの原理を実現しうる唯一の方法と位置付けました。
これは一大事です。唯一の方法としたからです。
ドラッカー教授は自己目標管理をマネジメントの哲学であると述べ、
教授が体系化したマネジメント実現の要である位置づけました。
上からの支配によらない自らを自らで方向づけるマネジメントが是が非でも求められるのです。
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<実践のための問い>
自らを自らで方向づけるマネジメントのための障害は何ですか?
佐藤 等