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人の強み【経営のヒント 493】

今月はドラッカー教授のマネジメントの根幹をなすコンセプト、
人の強みをテーマにお届けしています。

<ドラッカーの一言>

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指紋のように自らに固有の強みを発揮しなければ成果を
あげることはできない。なすべきは自らがもっていない
ものではなく、自らがもっているものを使って成果を
あげることである。

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『実践するドラッカー〔思考編〕』p.156
『非営利組織の経営』p.216

前回、人の強みに関して筆者が気になる場面についてお話ししました。
強みのマネジメントはドラッカー・マネジメントの根幹です。

そしてその根幹は強みを知ることから始まります。
ドラッカー教授は、強みは指紋のように固有と表現しました。
つまり世界にただ一人の存在ということです。
ドラッカー教授は広義の強みを資質という意味で強み(狭義)、ワークスタイル、価値観と分類しました。
これを一括して個性と言うならば、個性を際立たせて、磨き、仕事の現場で用いることです。

自分が何をもっているのか…それを認識することが最重要です。
しかも時間、つまり経験とともにこれらの個性はさらに際立ち、
チームで唯一の存在から、組織で唯一の存在となり、
やがて外の世界においても唯一の存在ともなれば、組織への貢献はもとより、
社会における役割も重責を担うようになるでしょう。

ここで反面の真理として「ない物ねだりはしない」という点を強調しておきます。
経験が少ない時期は弱みや欠点ばかりに目が行きます。
成果は経験とともに増し、その背景に強みが機能しているからです。
つまり経験が少ない時期は成果もあがり難く、強みも磨かれにくいということがあります。

しかし諦めてはいけません。
「ほんのわずかな成果の背後で機能した強みは何か」を意識しなければ強みは発見されないからです。
「自らもっているもの」とは「自ら発見したもの」にほかなりません。

スタートは自分自身に目を向けることです。
「いつもと何が違ったのか」
「成果が再現された原因は何か」…
このような問いかけによって自分自身を知ることです。

「自分探しの旅」という言葉を耳にすることがあります。主に若者向けの言葉と理解しています。
なるほど非日常的な旅で何かが見つかる可能性もあるかもしれません。
しかし筆者は日々の仕事の中でこそ自分を見つけて欲しいと思います。
上司であればそのことを直言して欲しいと思います。

仕事の報酬の一つは成長です。強みを磨き、生かしつつ、成果をあげ、自信を深め、一歩前進する。
そんなプロセスのスタートに必要な要素が強みなのです。

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<実践のための問い>

あなたはどんな時に自分の強みについて考えますか?

佐藤 等

ドラッカー教授

佐藤 等

<実践するマネジメント読書会®>創始者。『実践するドラッカー』(ダイヤモンド社)シリーズ5冊の著者。ドラッカー学会理事。マネジメント会計を提唱するアウル税理士法人代表/公認会計士・税理士。ナレッジプラザ創設メンバーにして、ビジネス塾・塾長。Dサポート㈱代表取締役会長。
ドラッカー教授の教えを広めるため、各地でドラッカーの著作を用いた読書会を開催している。公認ファシリテーターの育成にも尽力し、全国に100名以上のファシリテーターを送り出した。誰もが成果をあげながら生き生きと生きることができる世の中を実現するため、全国に読書会を設置するため活動中。
編著『実践するドラッカー』(ダイヤモンド社)シリーズは、20万部のベストセラー。他に日経BP社から『ドラッカーを読んだら会社が変わった』がある。 2019年12月『ドラッカー教授 組織づくりの原理原則』を出版。 雑誌『致知』に「仕事と人生に生かすドラッカーの教え」連載投稿中

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