人の強みをテーマにお届けしています【経営のヒント 494】
今月はドラッカー教授のマネジメントの根幹をなすコンセプト、
人の強みをテーマにお届けしています。今回はその最終回です。
<ドラッカーの一言>
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最高のキャリアは、あらかじめ計画してできるものではない。
自らの強み、仕事の仕方、価値観を知り、機会をつかむ用意
をした者だけが手にできる。なぜならば、自らうるべき所を
知ることによって、単に有能なだけの働き者が、卓越した
仕事をこなすようになるからである。
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『実践するドラッカー〔思考編〕』p.204
『明日を支配するもの』p.213
自分で描いたキャリアプランが実現することは稀です。
それはキャリアとは仕事をとおしてしか実現しないからです。
組織で行う仕事は最終的に何らかの形でお客様につながっています。
また通常仕事はチームで行われます。
つまり仕事には相手という自分以外の存在が不可欠だということです。
それゆえキャリアプランは他人によって左右されます。
その意味であらかじめ計画することは不可能です。
ドラッカー教授はそれを「機会」という言葉で表現しました。
実は人の目の前には多くの機会が現れては消え、現れては消えています。
しかもどんな人にも例外なく出現しています。
違いはその機会を手にするかどうかです。
機会を手にするには条件があります。
第一に、自分にふさわしい機会かということです。
言葉を換えると磨かれた自分の強みやワークスタイルのレベルに合っているかということです。
第二に、その機会に手を出す勇気です。第一の条件を満たしていればその機会を生かせる可能性があります。
つまり成果をあげることができます。ここで気になるのは失敗という結果です。
しかし最初から常に上手くできる訳ではありません。
おそらく成果をあげることができるのは20%程度、
上手くいかない、つまり失敗は20%、多くの場合はその中間ではないでしょうか。
機会を生かすということは、行動することです。
行動には失敗がつきものです。
2割バッタ―から始めて3割バッターへと進化したとき
卓越した仕事をこなしたという評価が定着するのでないでしょうか。
恐れず最初の機会を手にして下さい。
しかしその前提は強みを磨き、備えることです。機会は万人に毎日、仕事という形で降り注いでいます。
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<実践のための問い>
最近あなたの目の前に出現した機会を挙げて下さい。
佐藤 等