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ドラッカー教授がコミュニケーションをどのように考えていたか【経営のヒント 495】

今月はドラッカー教授がコミュニケーションをどのように考えていたかを見ていきます。
まずはコミュニケーションの前提からです。

<ドラッカーの一言>

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人間関係に優れた才能をもつからといって、よい人間関係が
もてるわけではない。自らの仕事や人との関係において、
貢献に焦点をあわせることにより、初めてよい人間関係が
もてるのである。こうして、人間関係は生産的なものとなる。

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『実践するドラッカー〔チーム編〕』p.172
『プロフェッショナルの条件』p.90

ドラッカー教授のマネジメントの体系に仕事のマネジメントと人のマネジメントがあります。
今月のテーマ「コミュニケーション」は人のマネジメントに属します。

組織の中には

1.仕事と仕事の関係、
2.仕事と人の関係、
3.人と人の関係があります。

ドラッカー教授は単に人と人の関係をよくすることだけに
焦点を当てる人間関係論の限界を指摘しました。

職場におけるよい人間関係の大前提に 2.仕事と人の関係があります。
仕事の生産性がとても低いが人間関係のよい組織と、
仕事の生産性が高い普通の人間関係の組織のどちらが組織のあり方として
優れているかという問題でもあります。
破綻寸前の仲良し組織はありえないということです。

人間関係が生産的であるとは 2.仕事と人の関係が上手くいっている場合です。
この際に必要な能力がコミュニケーションです。
経験や知識・スキル、強みなどが異なる者同士が意思疎通を図る際に必要な能力です。

コミュニケーションの本論に入る前に大事なことを整理しておきます。
2.仕事と人の関係を良きものにする前提として
1.仕事と仕事の関係性を整理、改善しておかなければなりません。
いわゆる仕事の生産性をあげるとは仕事が良く設計され、
常により良い方向に向かって改善活動が進んでいる状態です。
3.の前提に 2.があり、2.の前提に1.があるということです。

仕事の生産性を高める際に重要なキーワードが「貢献」です。
貢献という視点が働く者の意識を外部に向け、
一人ひとりになすべきことは何かを自問させます。
コミュニケーションは「なすべきこと」とともに働く者の期待が一致しているかどうかを確認することから始めます。
この点が最も大切なコミュニケーションすべき内容です。
期待外れが生まれる大きな原因は、スタートに当たって「なすべきこと」と「期待すること」を
確認するためのコミュニケーションを取っていないことです。
どうやっての前に何をコミュニケーションはすべきかの理解が大切です。

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<実践のための問い>

あなたが期待されている貢献は何ですか?

佐藤 等

ドラッカー教授

佐藤 等

<実践するマネジメント読書会®>創始者。『実践するドラッカー』(ダイヤモンド社)シリーズ5冊の著者。ドラッカー学会理事。マネジメント会計を提唱するアウル税理士法人代表/公認会計士・税理士。ナレッジプラザ創設メンバーにして、ビジネス塾・塾長。Dサポート㈱代表取締役会長。
ドラッカー教授の教えを広めるため、各地でドラッカーの著作を用いた読書会を開催している。公認ファシリテーターの育成にも尽力し、全国に100名以上のファシリテーターを送り出した。誰もが成果をあげながら生き生きと生きることができる世の中を実現するため、全国に読書会を設置するため活動中。
編著『実践するドラッカー』(ダイヤモンド社)シリーズは、20万部のベストセラー。他に日経BP社から『ドラッカーを読んだら会社が変わった』がある。 2019年12月『ドラッカー教授 組織づくりの原理原則』を出版。 雑誌『致知』に「仕事と人生に生かすドラッカーの教え」連載投稿中

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