コミュニケーションをどのように考えていたか【経営のヒント 497】
今月はドラッカー教授がコミュニケーションをどのように考えていたかを見ています。
このテーマは今回で終了と思っていたのですが、来月も同じテーマをすることにしました。
<ドラッカーの一言>
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コミュニケーションと情報は別物である。ただし依存関係にある。
コミュニケーションは知覚の対象であり、情報は論理の対象である。
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『実践するドラッカー 〔チーム編〕』p.176
『マネジメント[エッセンシャル版]』p.160
前回のメルマガでは「どうやって」ではなく
「何を」に意識を向けることも大切だということを指摘しました。
今日のドラッカー教授の言葉はそのことを別の言葉で表現したものです。
「どうやって」はコミュニケーションの問題、
「何を」は情報の問題だということです。
依存関係にあるとは、いかなる情報を発し(発し手)、その情報を他者(受け手)が取得し、
発し手が意図した意味を受け手が手にしたときコミュニケーションが成立します。
教授は情報とは話し言葉であり、書き言葉であり、数字であると述べました。
これらの情報はコンパクトな情報で受け手に意図が到達すれば
コミュニケーションの目的は完結します。
それゆえ情報はコンパクトであればあるほど効率的であるといえます。
言葉(情報)はマネジャーの重要な道具です。
また知識労働者が自ら考え、決め、行動する際の基本的な道具となるものです。
それゆえ成果や貢献、強みなど重要なキーになる言葉の意味を正確に理解し、
使う習慣が重要になります。
多弁、多言、多くの数字は真のコミュニケーションを阻害し、
さらに悪いことには誤解を与える可能性を秘めていることに注意しましょう。
上記で述べた言葉は、すなわち「コミュニケーションと情報は違う」は、
ドラッカー教授がコミュニケーションにおける4つの原理と呼んだものです。
来月は他の3つについてお伝えします。
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<実践のための問い>
普段、意識して使っているマネジメントに関する言葉は何ですか?
佐藤 等