マネジメントについて【経営のヒント 501】
さて今月は仕事のマネジメントについてお伝えしていきます。
<ドラッカーの一言>
●―○―●―○―●―○―●―○―●―○―●―○―●
仕事の生産性をあげるうえで必要とされているものと、
人が生き生きと働くうえで必要とされるものは違う。
●―○―●―○―●―○―●―○―●―○―●―○―●
『実践するドラッカー 〔チーム編〕』p.138
『マネジメント[エッセンシャル版]』p.57
ドラッカー教授は仕事のマネジメントと人のマネジメントを分けて考えました。
人が仕事を行っているのですが、両者のマネジメントの性格はまったく異なることに注意しなければなりません。
仕事のマネジメントは客観的、合理的に考えるべきものであり、
分析し設計することが可能です。
これに対して人のマネジメントは主観的、情緒的に対応しなければなりません。
それを受けて人のマネジメントには力学が必要であるとドラッカー教授は述べました。
さて仕事のマネジメントについてです。
ドラッカー教授は「仕事を生産的なものにする」という基本的なスタンスに立っていました。
この点は非常に重要です。
人が生産的なのではなく、仕事自体が生産的か非生産的かを問わなければならないというのです。
具体的には仕事を作業に分解し、作業改善を行い、あるべき手順を考え、再び統合することです。
これを仕事の設計(再設計)といいます。
誰が行うかではなく、何をどのように行うのかだけを考えるということです。
仕事のマネジメントをイメージするとき、料理のレシピを思い浮かべるといいと思います。
誰でも一定の品質以上の仕事ができるように作業と手順が書かれています。
何かをつくる場面だけではなく、企画や情報を生み出すときにも本来はあるべき作業と手順があるはずです。
それを継続的に考えていくプロセスを仕事の設計といいます。
あまり意識していない職場では効果がてき面に現れるはずです。
一度立ち止まって仕事そのものについて考えてみましょう。
-----
<実践のための問い>
生産性をあげたい仕事は何ですか?
佐藤 等