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仕事のプロセスを管理対象とするのであって人を管理対象にしてはならない【経営のヒント 503】

今年最後のメルマガは仕事のマネジメントで締めくくりたいと思います。

<ドラッカーの一言>

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仕事とはプロセスである。プロセスはすべて管理
しなければならない。したがって、仕事を生産的
なものとするには、仕事のプロセスに管理手段を
組み込まなければならない。

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『実践するドラッカー〔チーム編〕』p.162
『マネジメント〈上〉』p.266

まずは大原則から。
「仕事のプロセスを管理対象とするのであって人を管理対象にしてはならない」。
このことは繰り返し肝に銘じていても忘れてしまうものです。

この原則を実現するためには、
仕事というプロセスを管理可能なものにしておかなければならないことを意味します。
ドラッカー教授は第一に管理は例外管理であることを挙げました。
そのために主に必要なことは以下のとおりです。

1.数量や仕事の質などに関して一定基準を決めておこと

2.基準からの乖離の許容範囲を事前に決めておくこと

3.許容範囲を超えたとき例外管理が作動するように準備しておくこと

たとえばクレームの基準を事前に決めておき、
許容範囲を超えたとき誰に報告するかを周知させておくことなどがこれにあたります。
クレームの発生源となる仕事そのものをすべて管理することは不可能だからです。

一方数量や仕事の質などに関して一定の基準に到達するかどうかは、
仕事を生産的なものに設計することを前提として、人のスキルや知識の問題として解決すべきです。
つまり教育、訓練によってその水準に到達できるようにするということです。

一方、ドラッカー教授は
管理は仕事の結果自体からのフィードバックによって行うことを求めました。
どういうことでしょうか。

たとえば許容範囲を超えたクレームの件数を毎月全社に情報としてフィードバックするよりも、
クレームの内容自体を情報としてフィードバックすることが優れています。
フィードバックとは自己修正可能な情報であるべきだからです。
クレーム件数を知っても減らそうと意識はするかもしれませんが、
何をどうやって対処するのかという行動に結びつかないからです。

プロセス管理は仕事のマネジメントの一翼を担う重要な要素です。
プロセスを管理するという意味を今一度考えてみましょう。

来年はトランプ大統領が登場します。2017年は激変の予感があります。
変わらないものと変わるものを見極め、ぶれない原理と原則で対応していく鉄則を貫きましょう。

そでは皆さん、善き新年をお迎えください。

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<実践のための問い>

例外管理を行っている仕事は何ですか?

佐藤 等

ドラッカー教授

佐藤 等

<実践するマネジメント読書会®>創始者。『実践するドラッカー』(ダイヤモンド社)シリーズ5冊の著者。ドラッカー学会理事。マネジメント会計を提唱するアウル税理士法人代表/公認会計士・税理士。ナレッジプラザ創設メンバーにして、ビジネス塾・塾長。Dサポート㈱代表取締役会長。
ドラッカー教授の教えを広めるため、各地でドラッカーの著作を用いた読書会を開催している。公認ファシリテーターの育成にも尽力し、全国に100名以上のファシリテーターを送り出した。誰もが成果をあげながら生き生きと生きることができる世の中を実現するため、全国に読書会を設置するため活動中。
編著『実践するドラッカー』(ダイヤモンド社)シリーズは、20万部のベストセラー。他に日経BP社から『ドラッカーを読んだら会社が変わった』がある。 2019年12月『ドラッカー教授 組織づくりの原理原則』を出版。 雑誌『致知』に「仕事と人生に生かすドラッカーの教え」連載投稿中

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