2017年は激変の年となるのか【経営のヒント 505】
2017年は激変の年となるのか。
あと数日で、選挙前の多くの予想に反した人物が第45代のアメリカ大統領に就任します。
何故か期待が先行し、経済は楽観ムードが漂っています。
しかし、先日の初会見では長期的なビジョンは語られませんでした。
その代わりのおびただしい否定。選挙戦からの延長戦です。
ドラッカー教授の一言が脳裏をかすめます。
<ドラッカーの一言>
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ファシズム全体主義には、前向きの信条がない
代わりにおびただしい否定がある。
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『「経済人」の終わり』p.12
新大統領がファシズム全体主義者であるとは言いませんが…
何やら異質なものが臭うと感じるは私だけでしょうか。
人類はかつて第二次世界大戦で全体主義に魂を売った歴史があります。
人類は不安を解消してくれるならばと、自由を売ってしまったのです。
すでにアメリカでは企業の国外への投資の自由は制限が加えられたも同然です。
杞憂に終わればいいのですが…。
ヒットラーがファシズム全体主義を生み出したのではありません。
不安で一杯の大衆が呼び込んだのです。
現状を変えてくれるなら誰でもよかったのです。
今回の構造は同じに見えて仕方がありません。
あと数日で任期が切れる現大統領が「チェンジ!」を掲げ“Yes, We Can “と呼びかけたとき
人々は現状をかえてくれることを望んでいました。
この時から今日の未来はすでに起こっていたのではないでしょうか。
現状維持を想起される人物は苦杯を味わい、
現状の否定を前面にした候補が勝利を手にしました。
党派や人物は関係ないということです。
ここに大きな構造変化が起こっていると感じるのです。
ドラッカー教授はイノベーションの7つの機会として
人口構造の変化や産業構造の変化を挙げました。
米国大統領選や英国のEU離脱問題に対峙する時、
「それは構造変化ではないか」と考えなければなりません。
そしてより重要なのは「その意味するところは何か」です。
社会生態学は変化に潜む意味を考えることが重要です。
再び自由を放棄することのないようによくよく考えなければと感じています。
佐藤 等