参加者で考える機会をもっています【経営のヒント 512】
各地のビジネス塾などその日の日経新聞を用いて記事の意味を
参加者で考える機会をもっています。その際に、紹介している言葉です。
<ドラッカーの一言>
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数字は予測しうるかもしれない。しかし10年後の価値観や
政治を規定するものをどこまで予測しうるか。
いかなる方法をもってしても不可能である。物事の意味、
質、理解の変化は予測しえない。
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『断絶の時代』まえがき
今日の日経新聞に「米統計知れば怖くない」と題した記事が載っています。
珍しい記事でありません。むしろ典型的な記事です。書き出しは次のとおりです。
「世界最大の経済大国、米国。グローバル化の進む現在、その景気動向の影響は世界経済全体にとって
依然無視できない大きさだ。米国経済の変化をとらえる上で欠かせない主要な経済指標を読み解くポイントをまとめた」
GDP、雇用統計、貿易収支という3種類の統計の意味と最近の趨勢を説明しています。
統計情報とは過去情報です。過去があっての今を統計情報として見ています。
最近の傾向を趨勢といいますが、決して未来を占うものではありません。
社会の変化は、大別してトレンドとシフトに分かれます。
シフトは、後戻りすることのない、重大な変化のことです。
「写メ」の誕生は2002年、今から15年前のことです。
また、2007年Appleが初代iPhoneを出すと翌年にソフトバンクが日本で販売を開始しました。
2001年頃からスマートフォンの名前は存在していましたが、
2008年が日本におけるスマートフォン元年。わずか10年前です。
その間、私たちの携帯電話に関する価値観はずいぶんと変わっているのではないでしょうか。
10年前に今のように中高生の主要な情報交換ツールになっていると誰が想像できたでしょうか。
ではこの先の10年は何が起こるでしょうか。
今から振り返れば、スマートフォン元年は「すでに起こった未来」でした。
どの段階で後戻りしない、重要な変化、つまりシフトと認識したのでしょう。
具体的にはガラケーに戻ることがないと世の人が確信したかということです。
実際に、日本でガラケーの普及率がスマートフォンを上回ったのは、2015年と日経新聞で報じられています。
量という基準で大きな変化があったということです。
しかし筆者の実感ではシフトが起こったのは2000年頃です。質変化といってもいいと思います。
数字的な分析ではなく筆者の子供たちの振る舞いの変化を知覚しました。
スマートフォンの導入が始まったばかりの頃は、普及率などは注目される数字にはなりません。
しかし、異質なものが目の前に現れたら、たとえばスマートフォンの意味とは何かを考えることです。
ある人は、これをただちに問い、ゲームアプリなどとしてビジネスの機会にしました。
量ではなく質(意味)に反応することが重要です。日経新聞はそのための最も安価なトレーニングツールの一つです。
佐藤 等