ポスト資本主義社会【経営のヒント 524】
今月18日、敬愛する日野原重明先生が生涯現役をとおしながら
105年の生涯を閉じられた。
日野原先生は、これからの高齢社会の生き方の最高のお手本の
お一人であることは間違いないと思います。著作も豊富です。
折に触れ振り返りたいと思います。
<ドラッカーの一言>
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ヨーロッパの工業化された都市部では、幼児死亡率が
急速に低下し、平均寿命は急速に伸び、人口は急速に
増加した。第二次世界大戦後の今日、同じことが第三世界
で起こっている。
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『ポスト資本主義社会』p.40
戦後一貫して寿命を延ばし、平均寿命が2016年現在でトップを
走る日本(男女平均83.7歳)。
寿命はまだ伸びるといいます。
『LIFE SHIFT』、日本語訳には「100年時代の人生戦略」という
言葉がタイトルに付されています。
この本には衝撃の数字が並んでします。
たとえば「日本では、2007年に生まれた子供の半数が107歳よりも
長く生きると予想される」とあります。今年は2017年ですから
日本は90年かけてこのような世界になることを意味します。
この本で述べられていることは、<教育→仕事→引退>という
3ステージからマルチ・ステージ化するということです。
引退というステージの長期化から想起されるものは、たとえば
「長生きするリスク」など金銭面を中心としたマイナスイメージの
ものばかりです。
政府も組織も一人ひとりも制度やルール、姿勢や行動を
変えなければなりません。
同書によると「日本では、100歳を迎えた人すべてに銀杯が贈られる。
制度が始まった1963年の対象者は153人だったが、2014年に贈られた
銀杯は2万9650個を突破した」ことを伝えています。
なんと200倍近い数字です。
このような現実を受けて2016年から銀杯は純銀製から銀メッキに
変更されました。
小さな制度変化は見えないところで進んできます。
就労期間の長期化に向けて貴方はどのように行動を変えますか。
貴方の組織はどのように仕組みを変えようとしていますか?
佐藤 等