ホーム経営のヒント人口問題に関連して【経営のヒント 530】

経営のヒント

HINT

経営のヒント

人口問題に関連して【経営のヒント 530】

人口構造の変化は最も確実な未来だとドラッカー教授は言います。

これまで2回連続して、人口問題に関連して『ライフシフト』という
本を題材に未来を投影してきました。同書のテーマは次のとおりです。

「本書は、3ステージの人生を前提にした働き方を葬り去り、
新しい人生の設計を提案することを目的にしている。
長寿が大きな恩恵となり、人々が活力と創造性と楽しみのある人生を
送れるようにしたい」。

<ドラッカーの一言>

●―○―●―○―●―○―●―○―●―○―●―○―●

知識労働者は何歳になっても終わることがない。
文句は言っても。いつまでも働きたい。
とはいえ30歳のときには心躍る仕事だったものも、
50歳ともなれば退屈する。
だが、あと20年とはいかなくとも、10年、15年は
働きたい。したがって、第二の人生を設計する
ことが必要となる。

●―○―●―○―●―○―●―○―●―○―●―○―●
『明日を支配するもの』p.226

ドラッカー教授は1969年、『断絶の時代』で「第二の人生」を
意識することを表明しました。この考え方こそは、知識労働者が
増えた高齢社会に今こそ必要なものです。
ドラッカー教授の「第二の人生」という考え方から50年、
『ライフシフト』という著作のメインテーマの一つになりました。
人はいかに長寿社会を働き切る切るべきか。

長寿社会を乗り切るためにはお金などの「有形資産」以上に
「無形資産」が重要になるといいます。
目に見えない資産ですが、無形資産がお金などの有形資産づくりを
支えるという相互作用もあります。では無形資産とは何か。

『ライフシフト』で挙げられたものは3つあります。
生産性資産、活力資産、変身資産の3つです。それぞれ説明します。

①生産性資産
―仕事の生産性を高めるスキルや知識、経験などをいいます

②活力資産
―肉体的・精神的な健康と幸福を維持、向上させる心身の健康、
友人関係、パートナーやその他の家族との良好な関係などをいいます。

③変身資産
―100年ライフを生きる過程で何度か大きな変化を経験し、
自身を変身させていく必要が生じます。
そのためには自分の資質などをよく知っていることや多様性に
富んだ人的ネットワークを持っていることや、新しい経験に対して
開かれた姿勢をもっていることなどが求められます

①や②はこれまでも重要でした。
これらは益々重要になるということです。
③は長寿化してく過程で徐々にその必要が増していったものです。
これまでの経験や常識では生き抜いていけないことを肝に銘じて
姿勢と行動の転換を図りましょう。

【追記】
私たち、法務会計プラザは開設20周年を記念して、
<LIFE SHIFTの時代>と題し11月15日に講演会を行います。当日は、
宮澤弦さん(ヤフー上級執行役員)×孫泰蔵さん(ガンホー創業者)に、
LIFE SHIFのテーマで対談をお願いしています。
これからの人生を考える大切な1日になると思います。

佐藤 等

ドラッカー教授

佐藤 等

<実践するマネジメント読書会®>創始者。『実践するドラッカー』(ダイヤモンド社)シリーズ5冊の著者。ドラッカー学会理事。マネジメント会計を提唱するアウル税理士法人代表/公認会計士・税理士。ナレッジプラザ創設メンバーにして、ビジネス塾・塾長。Dサポート㈱代表取締役会長。
ドラッカー教授の教えを広めるため、各地でドラッカーの著作を用いた読書会を開催している。公認ファシリテーターの育成にも尽力し、全国に100名以上のファシリテーターを送り出した。誰もが成果をあげながら生き生きと生きることができる世の中を実現するため、全国に読書会を設置するため活動中。
編著『実践するドラッカー』(ダイヤモンド社)シリーズは、20万部のベストセラー。他に日経BP社から『ドラッカーを読んだら会社が変わった』がある。 2019年12月『ドラッカー教授 組織づくりの原理原則』を出版。 雑誌『致知』に「仕事と人生に生かすドラッカーの教え」連載投稿中

関連記事