ライフシフト【経営のヒント 533】
このメルマガでは、長寿時代という人口問題に関連を連続して
取り上げています。
この際、人生100年時代を「すでに起こった未来」と位置づける
『ライフシフト』という本を題材に未来を投影してきました。
今回もその続きです。まずはドラッカー教授の言葉を紹介します。
まずはドラッカー教授の言葉を紹介します。
<ドラッカーの一言>
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通常知識労働者は経済的な問題を抱えていない。
大体において豊かである。
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『経営者の条件』p.226
ドラッカー教授は1966年に出版した『経営者の条件』で
こう述べました。
この言葉も現代においては色あせて見えます。
先進国では大学を卒業しても就職に就けない国、多額借金を抱えて
社会に放り出される国が少なくありません。
急速に少子化が進む日本では空前の就職率を達成しているが
専門学校を含めると80%を超える現状では高等教育の希少性は
相当希釈されています。
ドラッカー教授のかつての言葉は偽りだったのか?
そうではありません。
かつてマニュアルワーカー(肉体労働者)でもかつての
熟練労働者が大量生産下で未熟練労働者に駆逐され、
また工場のオートメーション化により手作業から自動化に
シフトしていったように工場で働く人も必要なスキルや知識を
変えていかなければ生き残っていけませんでした。
同じ事が知識労働者にも起こっています。前回も書いたように
『ライフシフト』が示す人生100年時代には一度ならず、何度も
必要なスキルや知識を更新していかなければならないのです。
『ライフシフト』ではそのような更新すべき資産を
「生産性資産」と呼び、「何を」「いつ」「どのように」学ぶかが
重要だと指摘しています(前回記載)。
では「何を」学べばいいのか。
具体的な領域やスキル名を挙げることは誰もできません。
しかし一般論であってもその方向性を知っておくことは重要です。
以下、『ライフシフト』にしたがって見ていきたいと思います。
同書では「機械学習と人工知能の分野で大きな進歩が
実現したときにも価値を失わないスキルや知識」に言及しています。
①新しいアイディアと創造性をはぐくむのを助けること
②人間ならではのスキルと共感能力を発揮できるようにすること
③思考の柔軟性と敏捷性など、あらゆる分野で通用する重要な
汎用スキルをはぐくむこと
詳しい解説は同書に譲りますが、私たちもある方向性をもって
スキルと知識を習得していかなければ不適応者となり経済問題を
抱えることになります。
もうそれはすでに起こった未来なのです。
貴方はどのような方向性をもって新たなスキルと知識を身に
つけようと思いますか?
【追記】
私たち、法務会計プラザは開設20周年を記念して、
<LIFE SHIFTの時代>と題し11月15日に講演会を行います。当日は、
宮澤弦さん(ヤフー上級執行役員)×孫泰蔵さん(ガンホー創業者)に、
LIFE SHIFのテーマで対談をお願いしています。
これからの人生を考える大切な1日になると思います。
佐藤 等