組織の目的(ミッション)を実現する手段として事業がある【経営のヒント 545】
原理・原則にしたがっているからといって成功は保証されるわけではありません。
しかし原理・原則に反したとき長期的には必ず失敗が約束されています。
教授からそのマネジメントの哲学を学べば学ぶほどマネジメントとは失敗しないために
身につけなければならないものだということを思い知らされます。
「失敗しないための原理のマネジメント」
今年初めからお伝えしているベースにある考え方です。
成功を求めて原理に反した方法をとるという愚を犯さないために原理のマネジメントを
大いに活用したいものです。
今日は前回の第6の原理からスタートしましょう。
<マネジメントの原理6>
組織の目的(ミッション)を実現する手段として事業がある
今日の原理は事業の目的です。次のドラッカー教授の言葉の中でもトップに
位置づけられています。
「事業の目的は顧客の創造である」
ここでよくある間違いを指摘しておきたいと思います。
「企業の目的は顧客の創造である」
もしかしたら何度か耳にして今も知れません。
企業(組織)の目的は<マネジメントの原理3>に示すように、社会において特有の
役割(ミッション)を果たすことです。
この目的を実現する手段として事業があり、その事業の目的が顧客の創造です。
上位により大きな目的があり、そのために手段(この場合は事業)にも目的があるという
階層構造をとっています。このようなことはよくあることです。
たとえば組織で働く人の目的も同じです。
自らの成長とともに最上位に社会において特有の役割(ミッション)を果たすために
貢献することが挙げられます。
このように目的もどの段階かというレベルを間違うと優先順位を間違ってしまうことが
あります。
つまり顧客の価値を創造することは、その組織の社会的役割(ミッション)を果たす
限りにおいて実現することです。
ミッションを超えて顧客価値を果たそうとすることは優先順位を間違って行動することに
なります。
何でもしますという姿勢が「特有の役割」を破壊しないようにしなければなりません。
【今日の原理】
事業の目的は顧客価値の創造である<マネジメントの原理7>
佐藤 等