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成果とは外の世界における変化である【経営のヒント 551】

年初より続けてきた<原理のマネジメント>は、「失敗しないためのマネジメント」とでも
いうべきものです。
各原理は、チェーンの様に関連してつながっています。
前回あげた「成果」に関する原理も同様です。

前回の原理を再掲します。
<マネジメントの原理11>
成果とは外の世界における変化である

「成果」はドラッカー・マネジメントにおける重要なキーワードであることを前回
指摘しました。
<マネジメントの原理11>は成果の定義です。

ドラッカー教授は具体的に次のように記します。
「組織の成果は、 一人ひとりの人間の生活、人生、環境、健康、期待、能力の変化という
組織の外の世界に表れる」(『経営者に贈る5つの質問』)といいます。

では、ドラッカー・マネジメントにおける成果の位置づけはいかに?
以下は、これを表した原理です。

<マネジメントの原理12>
マネジメントは自らの組織が目的(ミッション)を果たすために成果をあげる責任をもつ

この原理には以下の<マネジメントの原理3>が入っていることを確認して下さい。

<マネジメントの原理3>
組織の目的は社会において特有の役割(ミッション)を果たすことである

目的(ミッション)を実現するためには、成果、つまり外の世界に変化をもたらすことが
求められています。
具体的には治療院では痛みがとれる、あるいは緩和されるなど、学習塾では成績が上がる、
あるいは志望校に合格するなどです。

原理12を端的に示す教授の言葉があります。

「組織がミッションを実現するには、あげるべき成果を明らかにして資源を集中しなければ
ならない」(『経営者に贈る5つの質問』)といいます。

外の世界に変化を起こし続けることでのみ、組織の目的は実現可能です。
また成果が利益をもたらします。
したがって成果は、組織存続には不可欠なものです。
マネジメントが負うべき責任の最右翼です。

ドラッカー教授

佐藤 等

<実践するマネジメント読書会®>創始者。『実践するドラッカー』(ダイヤモンド社)シリーズ5冊の著者。ドラッカー学会理事。マネジメント会計を提唱するアウル税理士法人代表/公認会計士・税理士。ナレッジプラザ創設メンバーにして、ビジネス塾・塾長。Dサポート㈱代表取締役会長。
ドラッカー教授の教えを広めるため、各地でドラッカーの著作を用いた読書会を開催している。公認ファシリテーターの育成にも尽力し、全国に100名以上のファシリテーターを送り出した。誰もが成果をあげながら生き生きと生きることができる世の中を実現するため、全国に読書会を設置するため活動中。
編著『実践するドラッカー』(ダイヤモンド社)シリーズは、20万部のベストセラー。他に日経BP社から『ドラッカーを読んだら会社が変わった』がある。 2019年12月『ドラッカー教授 組織づくりの原理原則』を出版。 雑誌『致知』に「仕事と人生に生かすドラッカーの教え」連載投稿中

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