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組織を方向づけるには、ミッションや成果の明示などあらゆる方法で対応する【経営のヒント 601】

しばらくの間、人のマネジメントについて全体を見渡して触れていない原理を探索して
いますが、今回は前回指摘したリーダーが用いるべき組織を方向づけるためのツールを
深堀していきたいと思います。
これらの道具は、事業のマネジメントの領域に属し、人のマネジメントの基礎をなします。

前回挙げた組織や事業を方向づけるツールをさらに詳しく、かつ問いを補って示したいと
思います。
ここでは2つのマネジメントの原理をおきたいと思います。

 

組織には方向づけが必要である
<マネジメントの原理51>

組織を方向づけるには、ミッションや成果の明示などあらゆる方法で対応する
<マネジメントの原理52>

<マネジメントの原理52>のミッションや成果の明示などの「など」の部分の最上位かつ
最重要なものを質問の形で12個挙げました。
これまで説明してきた関連する原理を明示しておきます。
1.われわれの組織のミッションは何か
<マネジメントの原理2>

2.われわれの事業の顧客はだれか
<マネジメントの原理8><マネジメントの原理10>

3.その顧客にとっての価値は何か
<マネジメントの原理8><マネジメントの原理10>

4.われわれの事業の成果は何か
<マネジメントの原理11>

5.われわれの組織の強み(卓越性)は何か
<マネジメントの原理8>

6.われわれの組織の得意な事業プロセスのパターンは何か
<マネジメントの原理8>

7.われわれの組織で廃棄すべき事業や活動は何か
<マネジメントの原理26>

8.われわれの事業に影響を与える社会の変化は何か(上位3つ)
<マネジメントの原理9>

9.われわれの事業は何になるのか
<マネジメントの原理21>

10.われわれの組織の強みを生かせる機会は何か
<マネジメントの原理9>

11.われわれの事業は何であるべきか
<マネジメントの原理21>

12.われわれの組織が大切にしている価値観は何か
1.2.3.4.はドラッカー教授が経営者に発した「5つの質問」のうち4つです。

ここでは組織と事業という2つ重要なコンセプトを使い分けています。
よりツールの切れ味が高まります。
ちなみに「5つの質問」の残り一つは「われわれの計画は何か」です。
ここにはあえて示しませんでした。
1~12の問いに答えることなく出来上がった計画は、画餅に堕するからです。
方向づけのない中で計画だけ出来上がることは異様なことであると認識してほしいと
思います。
いずれにしてもこれらのツールはリーダーが組織をリードする際に重要な役割を果たし
ます。
この点を前回同様確認しておきます。

これらの問いについて、これまでのメルマガであまり説明していない部分がありますので
次回以降補充したいと思います。

ドラッカー教授

佐藤 等

<実践するマネジメント読書会®>創始者。『実践するドラッカー』(ダイヤモンド社)シリーズ5冊の著者。ドラッカー学会理事。マネジメント会計を提唱するアウル税理士法人代表/公認会計士・税理士。ナレッジプラザ創設メンバーにして、ビジネス塾・塾長。Dサポート㈱代表取締役会長。
ドラッカー教授の教えを広めるため、各地でドラッカーの著作を用いた読書会を開催している。公認ファシリテーターの育成にも尽力し、全国に100名以上のファシリテーターを送り出した。誰もが成果をあげながら生き生きと生きることができる世の中を実現するため、全国に読書会を設置するため活動中。
編著『実践するドラッカー』(ダイヤモンド社)シリーズは、20万部のベストセラー。他に日経BP社から『ドラッカーを読んだら会社が変わった』がある。 2019年12月『ドラッカー教授 組織づくりの原理原則』を出版。 雑誌『致知』に「仕事と人生に生かすドラッカーの教え」連載投稿中

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