知識の生産性に意識を向ける【経営のヒント 717】
企業間に差をつけるものはマネジメントの質の違いである。このマネジメントの質という決定的に重要な要因を測定する最良の尺度が、生産性すなわち経営資源の活用の程度とその成果である。
『経営の真髄』<上>p.190
物的資源、人材、資金という3つの経営資源を効率的・効果的に活用されているかを問われています。つまりマネジメントの質とは資源の活用度合いです。
ドラッカー教授は「事業とは市場において知識という経営資源を経済価値に転換するプロセスである」といいます。ここで経済価値とは付加価値のことです。付加価値は生産性の一項目です。
3つの経営資源を用いて付加価値の増大を目指す姿勢がマネジメントには求められています。付加価値は、先に挙げたマーケティングとイノベーションの結果でもあります。その意味で生産性は総合指標の役割を担っています。
付加価値を人数で割ると労働生産性となります。一人1年当たりどれくらいの付加価値生み出したかということです。
現代において労働生産性は、ドラッカー教授が「知識」を経営資源というように知識労働の生産性如何にかかっています。知識を運用するのは、人材です。その意味で人材の活用の度合いが成果を左右するといえます。
どのように知識の生産性を上げるか。それが現代社会最大の課題です。知識の生産性に意識を向けましょう。
佐藤 等(ドラッカー学会共同代表理事)