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コミュニケーション【経営のヒント 306】

『マネジメント』<中巻>第38章「コミュニケーション」から、今日は原理その4をお伝えします。

<ドラッカーの一言>
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コミュニケーションは受け手に何かを要求する。
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『マネジメント<中>』p.147 1973年 ダイヤモンド社

コミュニケーションの原理の最後、4つ目は「コミュニケーションとは要求である」です。これまで説明した原理「コミュニケーションとは知覚である」と「コミュニケーションとは期待である」は、受け手側の能力、姿勢に関わるものでした。しかし「要求」は、発し手の問題です。

結局コミュニケーションは、相手(情報の受け手)に届くことが目的です。
届ける情報は、相手が知覚できるものであればなんでもいいという訳ではありません。また、相手の期待にすべて沿うものではないことは前回書いたとおりです。

コミュニケーションとは、相手に「何かになること」、「何かをすること」、「何かをすること」、「何かを信じること」、つまり行動や姿勢、価値観の変化を期待するものです。この際、相手の価値、現実、欲求に合致すれば、コミュニケーションの目的は達成されるでしょう。

逆の場合には、抵抗、憤慨、無視など様々な反応を生むかもしれません。
一般的に人は変化に激しく抵抗するものです。しかしこれら抵抗などを乗り越えたところに初めて「要求」を通すことができるのです。

組織の中ではコミュニケーションがスムーズに進まないことは稀ではありません。これら4つの原理を理解し、実践で確かめることでコミュニケーション力を少しずつ高めていきたいものです。

実践に勝る王道はないのです。

佐藤 等

ドラッカー教授

佐藤 等

<実践するマネジメント読書会®>創始者。『実践するドラッカー』(ダイヤモンド社)シリーズ5冊の著者。ドラッカー学会理事。マネジメント会計を提唱するアウル税理士法人代表/公認会計士・税理士。ナレッジプラザ創設メンバーにして、ビジネス塾・塾長。Dサポート㈱代表取締役会長。
ドラッカー教授の教えを広めるため、各地でドラッカーの著作を用いた読書会を開催している。公認ファシリテーターの育成にも尽力し、全国に100名以上のファシリテーターを送り出した。誰もが成果をあげながら生き生きと生きることができる世の中を実現するため、全国に読書会を設置するため活動中。
編著『実践するドラッカー』(ダイヤモンド社)シリーズは、20万部のベストセラー。他に日経BP社から『ドラッカーを読んだら会社が変わった』がある。 2019年12月『ドラッカー教授 組織づくりの原理原則』を出版。 雑誌『致知』に「仕事と人生に生かすドラッカーの教え」連載投稿中

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