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マネジメントの重要性は増すばかり【経営のヒント 739】

今日、公的機関がマネジメント志向になってきた。
『経営の真髄』<上>p.232

公的機関と聞いて何を思い浮かべるでしょうか。

ドラッカー教授が挙げたものは、次のようなものです。政府機関、軍、学校、大学、研究所、病院、労働組合、法律事務所、会計事務所、職種別団体、その他諸々の団体。

私の生業である会計事務所も入っているのがユニークです。

そして「現実には公的機関の成果たるや、立派どころか、なるほどと思わせるレベルにも達していない」といいます。会計事務所も…。

一方で公的機関は、現代社会の支柱であるといいます。「社会の構造を支える一員である。社会や企業が機能するには、公的機関が成果をあげなければならない」。

期待と現実にギャップがあるということです。

そこで「マネジメント志向」になってきたにつながります。つまりマネジメントが求められているということです。

さらに「公的機関こそ、先進社会の価値観を体現する存在である」といいます。どういう意味でしょうか。

「衣食住の豊かさよりも、教育、医療、知識こそ、先進社会の経済力と生産性の増大の果実だからである」。その意味するところは、教育や医療などは企業が経済活動で生み出す余剰によってコストが賄われているということです。

それゆえ公的機関は社会に貢献しなければならないのです。しかしその成果が期待ほどではない…。ギャップを埋めるためにマネジメントが要請されているということです。

公的機関のマネジメントの巧拙が公的機関にかかるコストの生産性を決定するといえます。マネジメントの重要性は増すばかりです。

 

佐藤 等(ドラッカー学会共同代表理事)

 

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