成果のない活動を廃棄すること【経営のヒント 740】
公的機関にも種類があり、種類が違えば構造も違ってくる。だが、あらゆる公的機関が6つの規律を自らに課す必要がある。
『経営の真髄』<上>p.233
(1) 「われわれの事業は何か、何であるべきか」を定義する。
(2) 事業に定義に従い、明確な目標を設定する。
(3) 活動の優先順位を検討し、最低限必要な成果を規定し、期限を設定し、担当者を決め、成果をあげるべく仕事をする。ここにおいて成果とは外の世界に起こる変化である。
(4) 目標を実現するための成果の尺度を定める。
(5) その尺度を用いて担当者ごとに自らの成果について自己目標管理を行う。
(6) 目標と成果を照合し、非生産的な活動を廃棄するシステムを作り上げる。
これから記す6つの規律は公的機関に必要なものとドラッカー教授は言いますが、通常の企業にも必要なマネジメントの要諦だと感じた方は多いのではないでしょうか。
ドラッカー教授は (6) が最も重要と指摘しました。これは、企業にも必要ですが、とりわけ公的機関には欠かせません。
・目的に合致しなくなった目標
・実現不可能であることが明らかになった目標
・不十分な成果や非生産的な活動
これらを識別し、不十分な成果に資金とエネルギーを投入し続けることのないようにすること、それが廃棄のシステムです。
「成果のない活動を廃棄することは、苦しくはあっても最も成果のある意思決定と言うべきである」
何かを始める前に、何かを捨てる。そこに最も重要なマネジメントの要諦があります。
佐藤 等(ドラッカー学会共同代表理事)