外部に目を向け、問い続けることではじめて道は開ける【経営のヒント 742】
一流のNPOは、経営環境、コニュニティ、潜在顧客からスタートする。多くの企業に見られるように、内部の世界すなわち組織と利益からスタートすることはない。
『経営の真髄』<上>p.250
ドラッカー教授は、「一流のNPOは、ミッションすなわち目的の定義に力を注ぐ」といいます。ミッションは目的である。目的が決まって顧客が決まります。顧客は組織の外の世界にいます。顧客とは、既存の顧客であり、潜在顧客です。
ひとたび「教会に行かない理由」を聞けば、新しい礼拝や説教の提供方式が浮かぶ。同じように「わが社から買わない理由」「わが社を利用しない理由」を聞けば、新しい何かが生まれるかもしれない。
「我々は何を手にしたいのか」「我々はどうすればよいのか」…と、内側に目を向けていたのでは多くを得られない。「我々の顧客は誰か」「顧客にとっての価値は何か」、外部に目を向け、問い続けることではじめて道は開ける。
佐藤 等(ドラッカー学会共同代表理事)