ホーム経営のヒントコミュニケーション【経営のヒント 303】

経営のヒント

HINT

経営のヒント

コミュニケーション【経営のヒント 303】

『マネジメント』<中巻>第38章「コミュニケーション」から、今日は原理その1をお伝えします。

<ドラッカーの一言>
!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!
コミュニケーションと情報は別物である。
ただし依存関係にある。
!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!
『マネジメント<中>』p.148 1973年 ダイヤモンド社

コミュニケーションはいわばパイプラインのようなもの。情報はその中を流れる内容物(コンテンツ)。コミュニケーションは属人的ゆえに感情、価値、期待、欲求などが重要な要素となります。これに対して情報は、論理の対象。必要にして簡潔であることを求められます。性質的にもまったく別物ですが、相互依存関係であることを理解いただけますか。

ドラッカー教授は、長い人類の歴史で人対人という関係性を構築するため大量のコミュニケーションを必要としたと指摘しました。特定の人が情報を持ち、それを漏れ聞くというイメージです。人々はパイプラインを太く、長くすることに努力しました。

ところが、現代社会には情報が溢れています。人対人というパイプライン以外からも情報が得られます。溢れた情報から必要なものを取り出すことが重要となります。「情報過剰すなわち必要とする量を超える情報は、情報途絶を招く」とドラッカー教授は指摘し、「誰がいかなる情報を必要としているか」がポイントになるとしました。

現代的なパイプラインの重要性は、ノウハウを知っているかではなく、誰を知っているか(ノウフゥ)だといわれることがあります。まさにパイプラインの太さ、長さを試されています。facebookやtwitterというソーシャルメディアの浸透著しい社会では、face to faceのコミュニケーションの重要性はなおさらです。一度、自身のパイプラインの総点検をしてみませんか。

佐藤 等

ドラッカー教授

佐藤 等

<実践するマネジメント読書会®>創始者。『実践するドラッカー』(ダイヤモンド社)シリーズ5冊の著者。ドラッカー学会理事。マネジメント会計を提唱するアウル税理士法人代表/公認会計士・税理士。ナレッジプラザ創設メンバーにして、ビジネス塾・塾長。Dサポート㈱代表取締役会長。
ドラッカー教授の教えを広めるため、各地でドラッカーの著作を用いた読書会を開催している。公認ファシリテーターの育成にも尽力し、全国に100名以上のファシリテーターを送り出した。誰もが成果をあげながら生き生きと生きることができる世の中を実現するため、全国に読書会を設置するため活動中。
編著『実践するドラッカー』(ダイヤモンド社)シリーズは、20万部のベストセラー。他に日経BP社から『ドラッカーを読んだら会社が変わった』がある。 2019年12月『ドラッカー教授 組織づくりの原理原則』を出版。 雑誌『致知』に「仕事と人生に生かすドラッカーの教え」連載投稿中

関連記事