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世のため人のために役立っているという実感が欲しい【経営のヒント 747】

「企業の仕事はやりがいが十分でなく、成果や責任が十分でない。ミッションも見えない。あるのは利益の追求だけである」
『経営の真髄』<上>p.262

ここに一つの警鐘があります。アメリカのNPOのボランティアが発した言葉です。

企業では、働き甲斐を得にくいといいます。成果や責任を求めても十分に担わせてもらえないといいます。仕事が金銭的な報酬以上のものであることがわかります。

ドラッカー教授は、これは一つの変化だといいます。人々は、世のため人のために役立っているという実感が欲しいのです。そのような場、コニュニティを居場所として活躍することを願っているのです。

このことは知識労働者の知識労働の生産性を高めることにつながるといいます。具体的には下記のとおりです。

「ミッションを明らかにし、人材を的確に配置し、継続して学習を施し、目標によるマネジメントを行い、要求水準を高くし、責任をそれに見合うものとし、自らの仕事ぶりと成果に責任を持たせることである」

日本では、非営利組織(NPO)の活動はアメリカほど活発ではありません。しかし、知識労働の生産性を高める秘訣については日米に差があるとは思えません。自分の組織は、どのくらい適合しているでしょうか。確認してみる価値はあると思います。

 

佐藤 等(ドラッカー学会共同代表理事)

 

ドラッカー教授

佐藤 等

<実践するマネジメント読書会®>創始者。『実践するドラッカー』(ダイヤモンド社)シリーズ5冊の著者。ドラッカー学会理事。マネジメント会計を提唱するアウル税理士法人代表/公認会計士・税理士。ナレッジプラザ創設メンバーにして、ビジネス塾・塾長。Dサポート㈱代表取締役会長。
ドラッカー教授の教えを広めるため、各地でドラッカーの著作を用いた読書会を開催している。公認ファシリテーターの育成にも尽力し、全国に100名以上のファシリテーターを送り出した。誰もが成果をあげながら生き生きと生きることができる世の中を実現するため、全国に読書会を設置するため活動中。
編著『実践するドラッカー』(ダイヤモンド社)シリーズは、20万部のベストセラー。他に日経BP社から『ドラッカーを読んだら会社が変わった』がある。 2019年12月『ドラッカー教授 組織づくりの原理原則』を出版。 雑誌『致知』に「仕事と人生に生かすドラッカーの教え」連載投稿中

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