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コミュニケーション【経営のヒント 302】

今日は『マネジメント』<中巻>第38章「コミュニケーション」からです。

<ドラッカーの一言>
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コミュニケーションは一角獣のようにとらえどころがない
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『マネジメント<中>』p.140 1973年 ダイヤモンド社

企業活動の中でも、コミュニケーションほど頻繁に行われているものは他にないのかもしれません。日々のことであり、意識さえされていないのかもしれません。

「あれやっておいて」。「わかりました」。そして数時間後、期待していたものが手元に。完璧なコミュニケーションです。世の中には、言葉を尽くしても伝わらないこともあれば、「あれ」の一言ですべて伝わることもあります。誰でも経験済みのことだと思います。

このような状況の差が生じる原因は何なのでしょうか。
ドラッカー教授は、一角獣という空想の生き物をあげ、とらえどころのないものだと表現しました。確かに伝わるケースとそうではないケースの差を明確に示すことはできないかもしれません。しかし一方で明らかになっていることもあるとして、コミュニケーションの4つの原理を示しました。

(1)コミュニケーションとは知覚である。
(2)コミュニケーションとは期待である。
(3)コミュニケーションとは要求である。
(4)コミュニケーションと情報は異なる。

ノウハウの前に原理。「車がなぜ動くのか」。これは原理です。
答えられますか。私はムリです(笑)。でも車の運転はそれなりに出来ます。
原理を知らなくても方法を知っているからです。しかし今以上上手くなることはありません。上達のための王道は原理を知ることです。
F1ドライバーは車が動く原理を知っています。イチロー選手はヒットメイクの原理を追及しています。

コミュニケーションにも原理があります。ドラッカー教授は4つ示しました。
次回から一つひとつひも解いてゆきたいと思います。日々の活動の原理を是非手に入れてください。

佐藤 等

ドラッカー教授

佐藤 等

<実践するマネジメント読書会®>創始者。『実践するドラッカー』(ダイヤモンド社)シリーズ5冊の著者。ドラッカー学会理事。マネジメント会計を提唱するアウル税理士法人代表/公認会計士・税理士。ナレッジプラザ創設メンバーにして、ビジネス塾・塾長。Dサポート㈱代表取締役会長。
ドラッカー教授の教えを広めるため、各地でドラッカーの著作を用いた読書会を開催している。公認ファシリテーターの育成にも尽力し、全国に100名以上のファシリテーターを送り出した。誰もが成果をあげながら生き生きと生きることができる世の中を実現するため、全国に読書会を設置するため活動中。
編著『実践するドラッカー』(ダイヤモンド社)シリーズは、20万部のベストセラー。他に日経BP社から『ドラッカーを読んだら会社が変わった』がある。 2019年12月『ドラッカー教授 組織づくりの原理原則』を出版。 雑誌『致知』に「仕事と人生に生かすドラッカーの教え」連載投稿中

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