あらゆる組織が、学びを教えるための機関になる【経営のヒント 748】
「劇的に変わるものがある。学校の役割と社会的な位置づけである」
『経営の真髄』<上>p.264
劇的な変化がくるといいます。いやもう来ていると認識しなければなりません。
「知識社会では、学校は、高等教育をすでに受けた成人のための機関となる。そして自らの仕事ぶりと成果に責任を負う存在となる」
学校の相手は、未就労の子供から成人へ高等教育をすでに受けた成人に変わるといいます。
ドラッカー教授は、このような変化に対応するため学校に求められる要件を4つ挙げました。
(1) 読み書きを超える高度の基礎教育を与えること
(2) 学習の意欲とくに継続学習の習慣を与えること
(3) すでに高等教育を受けた者、および高等教育を受けられなかった者に門戸を開くこと
(4) 他のあらゆる機関と競争し、かつコラボレーションする存在になること
特に (4) については、企業、政府機関、NPOなどあらゆる組織が、学びを教えるための機関になるからであると明言しています。組織が学びを教える時代になっているということです。組織社会においては、家庭教育、学校教育、企業(組織)教育と3つの教育ステージをどう過ごすかというとらえ方に変わっており、学校が果たす役割は大きく変化しています。
いかがでしょうか単なる人材教育ではなく、「学びを教える」という体制が今の組織にはあるでしょうか。そのような教育体制に目を向け、実践している組織に人が集まる時代になってきています。人不足の日本においては決定的な条件になる可能性があります。何が必要なのか立ち止まって考えてみたいものです。
佐藤 等(ドラッカー学会共同代表理事)