自分は知識労働者であるとの認識からスタートする【経営のヒント 755】
「仕事と人の双方が、これからは史上最大の転換期に入る。産業革命以降最大の転換である」
『経営の真髄』<上>p.315
ドラッカー教授がこの言葉を用いてから50年が経ちます。誰もが転換期を実感できるになりました。パソコンを用いてディスクワークを行う。このような働き方は、50年前には存在しませんでした。
ではパソコンを前に何を行っているのでしょうか。動作的にはキーボードを打っています。
しかし工場で製品に向かって手を動かしているのとはわけが違います。何を生み出しているのか。
情報や知識を生み出し、社内の誰か、社外の誰かが利用します。このような仕事を知識労働といい、これを行う者と知識労働者といいます。
「労働力人口のますます多くが、体だけを使って働くことをやめ、知識、理論、コンセプトを使って働くようになった」
貴方も私もこのような働き方をしていませんか。
転換期に適用するには、知識労働の生産性をどうやって高めるか、知識という資源の生産性をどうやって高めるかなど新しい考え方が求められるようになってきました。
知識労働者(ナレッジワーカー)というコンセプトを生み出したのはドラッカー教授です。しかし、いまひとつ浸透していない感があります。まずは、自分は知識労働者であるとの認識からスタートすることが大切です。
佐藤 等(ドラッカー学会共同代表理事)