人を雇うこと【経営のヒント 85】
第20章は「人を雇うこと」というごくごく普通のテーマです。
でもその内容は、鋭い!今日の一言からです。
<ドラッカーの一言>
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人的資源、すなわち人間こそ、企業に託されたもののうち、
最も生産的でありながら、最も変化しやすい資源である。
そして最も大きな潜在能力をもつ資源である。
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新訳『現代の経営』(ダイヤモンド社)より
もの・かねなどの他の経営資源は、経営者の決定に対して意義を唱えることはありません、絶対に。時として異議を唱え、働くか働かないかを決めるのは、肉体の所有者である人間です。人的資源とは、人間の能力のごく一部なのです。その一部の能力を企業に託すゆえに、人はいかに働くか(質)、どれだけ働くか(量)を自ら決めるのです。
残念ながら銃で脅したって企業は、本当の意味で仕事をさせることは出来ないのです。いわゆる「動機づけ」なるものが必要な理由はここにあります。
「生産性とは姿勢の問題である」という言葉が示すように、人間の心に働きかけない限り企業の成果はあがりません。それゆえ「企業が働く人たちに対し、第一に要求すべきは、企業の目標に向けて進んで貢献することである」とドラッカーは明言しています。
しかし逆にこうもいえます。「企業の目標や目的を正しく伝えていないと貢献は得られない」。
実は、正しい目標設定、それを伝えることからしか人の潜在能力を引き出すことは出来ないのです。
なぜ生産性があがらないかを考える前に正しい目標設定を行うことが大切です。
どんな人間もゴールを知らずして、いかに働くか、どれだけ働くかを決めることは出来ないのです。
佐藤 等