構造変化をマネジメントする【経営のヒント 108】
ナレッジプラザに参加されている皆さん、あけましておめでとうございます。
ナレッジプラザも4年目の活動に入ります。皆さんと一緒になって活気のある地域づくりに邁進したいと思います。
さて今年は、『乱気流時代の経営』の第3部「構造変化をマネジメントする」の第1章「新しい現実」からはじめます。この著書は、1980年に著されていますが、9年後の1989年に今回のテーマである「新しい現実」と同名の『新しい現実~政治、経済、ビジネス、社会、世界観はどう変わるか~』が刊行されています。『乱気流時代の経営』に書かれた25年前の「新しい現実」は、すでに「古い現実」になっていますので、ここではコンテンツ(中身)に触れないことにします。ちなみに当時の「新しい現実」は、人口構造の変化、グローバルな生産の分業体制、消費市場の変化、労働力の変化、雇用の質と量の変化(以上第3部の1~5章)などです。
<ドラッカーの一言>
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本書は、答えを示すものではない。知識を基盤とする今日の
知識組織に働く意思決定者が、正しい問いを自らに投げかけられる
ようにするためのものである。
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1989年 新訳『新しい現実』新版への序文(ダイヤモンド社) より
『新しい現実』では、企業リーダーたる者は、今日の意思決定に「すでに起こった未来」を織り込む必要があり、そのためには今日当然としているものに反して「新しい現実」をもたらしつつあるものが何であるかを知る必要があるという趣旨のことを述べています。私たちは、現実を知り、変化を察知し、機会をとらえるために明日の意思決定を今日するのです。良き意思決定をするためには、正しい問いを発しなければなりません。そのための「新しい現実」であり、「すでに起こった未来」です。私たちは、ドラッカー教授という「物見の役」を昨年失いました。
自ら「新しい現実」を知り、「すでに起こった未来」を認識しなければなりません。
幸いそのための見方と方法は、残してくれました。悪い問いからは、よき意思決定は生まれません。
みなさん、今年は正しい問いを発することを心がけてみませんか。
次回は、第4部からはじめます
佐藤 等