意思決定とは何か【経営のヒント 152】
第6章は、「意思決定とは何か」というテーマです。
意思決定は、エグゼクティブに特有な重要な仕事です。意思決定は、いくつかの手順を踏んで行います。意思決定が重要なのは、前章「重要なことに集中せよ」に密接に関係しています。つまり、集中すべき「重要なこと」を一つ決定する方法のことを意思決定といいます。
様々な局面で決断に迫られるエグゼクティブですが、成果をあげる第一の秘訣である「集中すべきもの」の決定こそ最も意思決定力が試されるときです。意思決定は、カンと度胸で行うものではありません。手順があり、これにしたがって整然と行うものです。手順は以下のとおりです。
<問題の種類を知る>⇒<必要条件を明確にする>⇒
<何が正しいかを知る>⇒<行動に変える>⇒<フィードバックを行う>
今日の一言は、意思決定を実践に移す際の留意事項を述べたものです。
<ドラッカーの一言>
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決定を実施に移し成果をあげるには、
応々にして関係者が行動や習慣や態度を
変えることが必要になる。
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エターナル版『経営者の条件』 1966年 ダイヤモンド社
ドラッカー博士は、行動に移さない決定は、よき意図に過ぎないと明言しています。
「意思決定」というプロセス自体に「行動に変える」ことを組み込むべきです。
その際には、次の問いに、明確に答えを持っていることが必要です。
【行動を決定に移す際に問うべき4つのこと】
(1)誰がこの意思決定を知らなければならないか
(2)そのためには、いかなる行動が必要か
(3)誰が行動をとるか
(4)その行動は、いかなるものであるべきか
行動、習慣、態度などを変えることではじめて成果があがる意思決定もあるということです。行動を習慣に変え、外に与える態度まで変えてしまいます。
しかし態度や習慣は長年の蓄積で変えるのは容易ではありません。
そのためのポイントは、思考を変えること、思考習慣を身につけることです。
成果をあげるには、人間すら変わらなければならないときがあるということです。
決めたことを実行できないとお嘆きの方、このあたりの確認も必要では?
佐藤 等