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汝の時間を知れ【経営のヒント 148】

『経営者の条件』の第2章は、「汝の時間を知れ」というなんとも不思議なタイトルです。
今日の一言は、私たちの常識をひっくり返すのに十分な言葉です。

<ドラッカーの一言>
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成果をあげる者は仕事からスタートしない。
時間からスタートする。計画からもスタートしない。
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エターナル版『経営者の条件』 1966年 ダイヤモンド社

はじめは、この言葉にピンときませんでした。最近やっと真意に氣づき、その深さに驚かされています。つまりこういうことです。私たちは、時間管理といえば、優先順位をつけてどの計画をどの時間帯に入れようかと考えます。別名スケジュール管理。つまり私たちは、計画からスタートしていることになります。結果は、やらなければならないことが次から次へと山積みになります。何故か。すべてをやるには、時間が足りないからです。すべてのことを行っているわけではありませんから、期待する成果もあまりあがりません。

なんだとお思いかもしれませんが、時間管理の真髄は、スケジュール管理ではなく、経営資源である時間自体を管理することにあったのです。つまり時間創造です。時間は24時間平等なはず・・という声も聞こえてきそうですが、どういうことなのでしょうか。成果をあげている人は、時間の量の確保からスタートします。
この際、優先順位よりも劣後順位が大切です。劣後順位・・やらないことを決める。
非生産的なことを廃棄する、止められないでいる過去の成功を廃棄するなどなどです。時間の確保には、人に任せることも重要です。本来部下がやるべきことをいつまでも行っている。自分の時給を考えなさい・・ということです。

次に、こうして確保した時間をまとめます。最低でも1.5時間。
できれば6―8時間。
細切れ時間の積み上げではまともな仕事ができません。
そして手にした時間の器に重要な仕事から入れていきます。
ここで初めて優先順位を考えます。見渡すといかにまとまった時間が少ないかがわかります。そして焦ります。本当に重要なことだけをやろうという氣になります。

こうして真に重要なことを集中して行う人だけが顕著な成果をあげることになります。

まずは時間の量を確保すること、つぎに質を高めることを実践することで結果は自然とついてきます。

付け加えになりますが、時間確保には現在の時間の使い方の記録と分析が不可欠です。私も3週間1分刻みで時間の使い方を記録したことがあります。
様々な発見がありました・・が記録も大変でした。成果をあげるための手順は単純なのですが、継続することができず挫折する人もいます。
結局、単純なことを習慣化した人が成果をあげることになります。
習慣化の一歩は、まず始めることです。
近々時間管理に関する研究会を立ち上げます。
興味のある方は、是非お声掛け下さい。

佐藤 等

ドラッカー教授

佐藤 等

<実践するマネジメント読書会®>創始者。『実践するドラッカー』(ダイヤモンド社)シリーズ5冊の著者。ドラッカー学会理事。マネジメント会計を提唱するアウル税理士法人代表/公認会計士・税理士。ナレッジプラザ創設メンバーにして、ビジネス塾・塾長。Dサポート㈱代表取締役会長。
ドラッカー教授の教えを広めるため、各地でドラッカーの著作を用いた読書会を開催している。公認ファシリテーターの育成にも尽力し、全国に100名以上のファシリテーターを送り出した。誰もが成果をあげながら生き生きと生きることができる世の中を実現するため、全国に読書会を設置するため活動中。
編著『実践するドラッカー』(ダイヤモンド社)シリーズは、20万部のベストセラー。他に日経BP社から『ドラッカーを読んだら会社が変わった』がある。 2019年12月『ドラッカー教授 組織づくりの原理原則』を出版。 雑誌『致知』に「仕事と人生に生かすドラッカーの教え」連載投稿中

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