組織社会の到来【経営のヒント 215】
今回も『ポスト資本主義社会』、第二章「組織社会の到来」からお伝えします。
まずは今日の一言です。
<ドラッカーの一言>
!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!
世界中の病院、学校、企業が、社会への
貢献を自らの信念として機能しなければならない。
!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!
『ポスト資本主義社会』 1993年 ダイヤモンド社より
2005年、ドラッカー博士は、死の直前に日本に対し遺言を残しています。
「日本が直面しているのは危機ではなく、時代の変わり目=移行期だからです。
日本がいますぐ取り組まなければならない課題-それは、時代が変わったことを認め、その変化に対応していくための意識改革です」。
今の日本に最も欠けているもの、それが意識改革です。
リーマンショックを受けてもなお、あの日に戻るにはどうしたらいいのかという思考から抜け出せていません。次の時代の新しい扉の存在に氣がつかないのです。
世界最古の書、『易経』に「不易」、「変易」という考え方があります。
世の中のものはすべてが時々刻々と変化し、変わらないものは何ひとつとしてありません。
これを「不易」といいます。
時も、物も、環境も、社会も、私たち一人ひとりもすべてのものが変化していきます。
これに伴い心構え、意識、思考などを変えていかなければなりません。
今回の経済ショックを受け、何を変えなければならないか一人ひとりが考えてみなければなりません。
他方「不易」は、変化には一定不変の法則・ルールがあることを示しています。
例えば春から夏になり、夏から秋になり、秋から冬になって、また春がやってきます。
毎年毎年の春は違っています。一年前の春と今年の春は違った、まったく新しい春です。
そして、また夏がやってきます。夏は秋を経ずして冬になることはありません。
この変化のしかたは不変だという意味です。
変わるものと変わらないもの。今日の一言は、変わらないものの代表選手です。
組織が社会に貢献すること。これはどんな社会が来ようと変化するものではありません。
それは信念にまで高めなければならないものです。
変わらないものについて思考と行動を深耕させなければなりません。
また変わるものへの対応について方向を確認しながら、勇気を持って一歩踏み出すことが求められます。
今年を締めくくるメール便を送らせていただきました。
昨今のあれやこれやを受け入れて覚悟を決めて、新たな氣持ちで新年を迎えたいものです。
佐藤 等