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人生を変えた七つの経験【経営のヒント 203】

ドラッカー博士の「人生を変えた七つの経験」から今日もお伝えいたします。
今日は、四つ目の経験です。

<ドラッカーの一言>
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毎年八月につくる計画どおりに一年を過ごせたことは一度もない。
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『プロフェッショナルの条件』2000年 ダイヤモンド社より

この経験は、ドラッカー青年が二二歳頃のものです。
当時第一次世界大戦の影響で中堅の人材が社会全体で枯渇しており、ドラッカー青年は“恐ろしい若さ”で論説員に抜擢されました。
その経験不足を補うべく、編集長自ら指導、訓練しました。
その指導方法のポイントは定期的に検討と反省を行うことでした。

編集長は、毎週末に一週間の仕事ぶりを、加えて年二回半年ごとに土曜の午後と日曜日に仕事ぶりを振り返ったそうです。
インターバル・トレーニングそのものの指導を受けたわけです。
最初のトレーニングメニューは「優れた仕事は何か」を問うものでした。
次いで「一生懸命やった仕事は何か」です。
その次に「一生懸命やらなかった仕事は何か」です。
最後に「お粗末な仕事や失敗した仕事は何か」を問われました。
仕上げの二時間のトレーニングメニューは「集中すべきことは何か」、「改善すべきことは何か」、「勉強すべきことは何か」です。

さて、今紹介した方法ですが、実はドラッカー博士は一〇年ほど経ってから思い出したと告白しています。それ以来毎年八月に二週間ほどかけて一年を反省する機会を設けていたそうです。そして次の一年の優先順位を決めたそうです。
そのときのことを表現したのが今日の<ドラッカーの一言>です。
その後に続けて言います。
「だがこの計画によって、私はいつも失敗し、今後も失敗するであろうが、とにかくヴェルディの言った完全を求めて努力するという決心に沿って、生きざるをえなくなっている」。

定期的に自らを省みる機会は、意外と少ないものです。
仕組み化されていなければ、事実上不可能だと思います。
手帳で行うとか、誰かと行うとか工夫が必要です。
長年続けるとフィードバック効果が表れてきます。
何に集中するかを決めることは、自分の強みやワークスタイルを生かすことと直結しています。
つまりそれは、成果の大きさが格段に違ってくることを意味しています。
いくら時間をかけてもかけ過ぎという事はありません。
少数の重要な意思決定を行うことが成果をあげる秘訣です。
その重要な意思決定の最右翼に位置するのが「何に集中するか」です。

佐藤 等

ドラッカー教授

佐藤 等

<実践するマネジメント読書会®>創始者。『実践するドラッカー』(ダイヤモンド社)シリーズ5冊の著者。ドラッカー学会理事。マネジメント会計を提唱するアウル税理士法人代表/公認会計士・税理士。ナレッジプラザ創設メンバーにして、ビジネス塾・塾長。Dサポート㈱代表取締役会長。
ドラッカー教授の教えを広めるため、各地でドラッカーの著作を用いた読書会を開催している。公認ファシリテーターの育成にも尽力し、全国に100名以上のファシリテーターを送り出した。誰もが成果をあげながら生き生きと生きることができる世の中を実現するため、全国に読書会を設置するため活動中。
編著『実践するドラッカー』(ダイヤモンド社)シリーズは、20万部のベストセラー。他に日経BP社から『ドラッカーを読んだら会社が変わった』がある。 2019年12月『ドラッカー教授 組織づくりの原理原則』を出版。 雑誌『致知』に「仕事と人生に生かすドラッカーの教え」連載投稿中

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