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本質的にはプロフェッショナルである【経営のヒント 774】

リーダー的な地位にあるグループの一員としてのマネジメントの責任と倫理とは、具体的には何か。そのようなグループの一員たることは、本質的にはプロフェッショナルであるということである。
『経営の真髄』<上>p.371-372

社会のリーダーをどのようにみるのかについてドラッカー次のように整理します。

「マネジメントを構成する個々人の人間を社会のリーダーと呼ぶことはできない」。

彼らを集合的に見たとき、つまり「グループの一員として見たとき」、今日の組織社会においてリーダー的な地位にあるに過ぎないといいます。

そのうえで「リーダー的な地位にあるグループの一員としてのマネジメントの責任と倫理」を明らかにし、その本質をプロフェッショナル性にあるといいます。

2400年前のギリシャの名医ヒポクラテスの誓いの中にプロフェッショナルにとっての最大の責任が表現されていると指摘します。

知りながら害をなすな

医者や弁護士というプロフェッショナルと同様の責任をマネジメントは負うといいます。

すなわち、顧客に対して必ずよい結果をもたらすとの保証を与えられないが、最善を尽くことは誓わなければならなりません。

加えてヒポクラテスの誓です。最も情報を知りうるものは、相手が知らないからと言ってプロの見識に反することはしてはいけないのです。このような自覚とともに相手に信じてもらわない限り仕事を行うことはできません。

自らの知識と経験にしたがって判断を自立的に行うことです。私的な判断ではあるが、私的な利害に基づくものではなく、公益を前提に動くという高度な倫理性が求められているのです。

 

佐藤 等(ドラッカー学会共同代表理事)

 

ドラッカー教授

佐藤 等

<実践するマネジメント読書会®>創始者。『実践するドラッカー』(ダイヤモンド社)シリーズ5冊の著者。ドラッカー学会理事。マネジメント会計を提唱するアウル税理士法人代表/公認会計士・税理士。ナレッジプラザ創設メンバーにして、ビジネス塾・塾長。Dサポート㈱代表取締役会長。
ドラッカー教授の教えを広めるため、各地でドラッカーの著作を用いた読書会を開催している。公認ファシリテーターの育成にも尽力し、全国に100名以上のファシリテーターを送り出した。誰もが成果をあげながら生き生きと生きることができる世の中を実現するため、全国に読書会を設置するため活動中。
編著『実践するドラッカー』(ダイヤモンド社)シリーズは、20万部のベストセラー。他に日経BP社から『ドラッカーを読んだら会社が変わった』がある。 2019年12月『ドラッカー教授 組織づくりの原理原則』を出版。 雑誌『致知』に「仕事と人生に生かすドラッカーの教え」連載投稿中

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