成果中心の精神【経営のヒント 293】
今日も<ドラッカーの一言>は、『マネジメント』<中巻>第36章「成果中心の精神」からです。この章は、学び多き章です。
<ドラッカーの一言>
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成果とは百発百中のことではない。百発百中とは
数分しか続けようのない曲芸である。
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『マネジメント<中>』p.101 1973年 ダイヤモンド社
成果が打率であるとドラッカーいいます。ヒットは目指すべきものですが、凡打も三振もあります。一試合に3安打、猛打賞といいます。
一試合5回打席に立つとして6割打者です。長いシーズンにそうあることではありません。そのことは史上4割打者は、日本のプロ野球には存在していないことが証明しています。ちなみに大リーグでも戦後は皆無(戦前は8名)です。
「優れた仕事ぶりとは、長期にわたり、多様な仕事で成果を生んでいくことである」とドラッカー教授はいいます。生涯打率を高めることが重要です。
ちなみにプロ野球の生涯打率のトップ(小笠原道大選手)は320です。
20年以上打席に立ち続けた張本勲さんの生涯打率は319です。
まさに長期にわたり優れた仕事ぶりを発揮した職人でした。
生涯打率を見ても3回に1回成功するかどうかです。ビジネスの世界で状況はあまり変わらないかもしれません。3回に1回は失敗。残りはどちらともいえない状態。3割打者を長く続けられることが大切です。
大多数の3割以下の選手との違いは何でしょうか。
「失敗の中には、可能性が含まれています。これも、野球をつづける面白さなんです」。偉大なチャレンジャー、イチローの言葉です。
ドラッカー教授は、「信用してはならないのは、決して間違いを犯したことのない者、失敗したことのない者である」といいました。
理由は、優れた者ほど多くの間違いを犯し、「優れているほど新しいことを行うからである」としました。
成果という言葉そのものを見つめ直すきっかけとしたいものです。
佐藤 等