ミドルマネジメント【経営のヒント 289】
今日の<ドラッカーの一言>は、『マネジメント』<中巻>第35章「ミドルマネジメント」からです。
<ドラッカーの一言>
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何よりもまず、ミドルから脂肪分を除去しなければならない。
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『マネジメント<中>』p.8 1973年 ダイヤモンド社
ここでミドルとは、ミドルマネジメント、つまり部長課長などのクラスのことです。ミドルが過剰になると組織に厳しさがなくなるとドラッカー教授は指摘しました。挑戦の機会がなくなり、人間関係など仕事以外で互いに足を引っ張り合う状況が生まれます。また管理業務などが中心になると、自ら過剰な管理業務を創出することさえあります。
ミドルの数の削減、ミドル一人ひとりの仕事の削減・廃止という組織とミドルマネジメント自身のダイエットが欠かせません。
次の2つを繰り返し問いかけます。
「本当にしなければならないことは何か」
「必要のないこと、削除したり廃棄したりすべきことは何か」
また最近では、管理業務を中心に行わないマーケティングの専門家や研究職の専門家もミドルマネジメントを名乗ることがあります。少数の部下しかいなくてもミドルに属するのです。
人の管理というよりも仕事の管理を任されています。
専門家としての職期待されているのは、知識を存分に生かした成果です。専門分野の知識においては、社内の誰よりも優れています。トップに代わって重要な意思決定を任されることさえあります。そういう意味で近時のミドルは、人の管理に優れている人と仕事の管理に優れている人が適材適所に配されてしかるべきです。
ミドルの強みを引き出すことが組織の浮沈を大きく左右します。
ミドルの再教育と再配置は、古くて新しい課題です。ダイエットとともに、筋力強化も欠かせません。まだまだ未活用の資源が眠っていいます。業績アップの決め手の一つです。
佐藤 等