上田代表理事の巻頭インタビューから【経営のヒント 288】
あけましておめでとうございます。今年最初の<ドラッカーの一言>は、『マネジメント』をお休みして、ドラッカー学会で毎年発刊している年報誌「文明とマネジメント」2010年版の上田代表理事の巻頭インタビューからです。
私は、この年末年始に何度も読み返しました。
<ドラッカーの一言>
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われわれはドラッカーの窓を通して、今いかなる時代にあるか、
いかなる未来を創造するべきかを理解しようとしている。
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ドラッカー学会2010年報「文明とマネジメント」p.2
「ドラッカーは2つの窓をもって社会を見ていた」、それが上田先生のドラッカー観です。具体的には、第一の窓は、窓枠―フレームワークです。
見るための、あるいは観るための枠組みです。代表的なフレームワークは、マネジメントです。最も馴染み深いのは「イノベーションの7つの機会」です。
ある視座から物事を観る、そのとき用いた枠組み、それが第一の窓です。
第二に、窓の外の情景のことです。第一の窓枠から観える物や事です。
刻々と変化する姿そのものを観るのです。ドラッカー教授が社会生態学と呼んだ分野です。情景は、知覚的です。分析をするのではなく、感じることが大切です。五感で感じないものは、知覚することができません。
森全体を観ながら、一本一本の木も見ます。森も木も一つの生態の一局面です。そのように全体を観て、形態を感じることが大切だとドラッカー教授はいいました。
私たちは、これらの窓を通して外の世界を垣間見ます。世の中はどのように動いているか。何が本物で、何が偽者か。後戻りしない本物の変化とは何か。そこに機会があります。どんな人にも組織にも必ずあります。観えないのは、独自の窓枠をもっていないか、歪んでいるのです。窓枠の筆頭は、マネジメントの窓枠です。
21世紀に入り、10年が経ちました。2011年、いよいよ21世紀も本番です。
1965年頃に突入し、約50年続くと予見した断絶の時代も、終りを告げようとしています。次の時代の準備は、できているでしょうか。
先ずは、第一の窓枠をしっかり作りましょう。そのためには焦らず、本格的にマネジメントの窓枠から手に入れてください。
今年もナレッジプラザでは、ドラッカーのマネジメントを追求します。
ビジネス塾、読書会などの機会に積極的に参加し、フレームワークを身につけてください。それでは1年のスタートです。よろしくお願いします。
佐藤 等