管理手段【経営のヒント 318】
今日も『マネジメント』<中巻>第39章「管理手段」7つの条件の最後からです。
<ドラッカーの一言>
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マネジメント上、管理手段が有効であるには
七つの条件がある。(中略)
第七に、管理手段は行動に焦点を合わせ
なければならない。
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『マネジメント<中>』p.172 1973年 ダイヤモンド社
「管理手段は行動志向でなければならない。データの目的は情報収集ではなく行動である」と続きます。現実の現場の姿はいかがでしょうか。ドラッカー教授はこんな例を披露しています。
品質管理データを月一回、工場の監督者だけが入手し、現場で働く一人ひとりは何も手にしていないというのです。一ヶ月以上経ってから工場全体の品質水準について何かいわれたとしてもどうにもなりません。少し極端ですがこんな例があちこちにあるのではないでしょうか。
経営者か管理者だけが一月に一度ざっと見るだけのデータや情報は、社内にありませんか。目的は何でしょうか。
現場が姿勢や行動を振り返り、必要に応じて自ら変えることです。
支配のためのデータは不要です。自分の仕事のための、自己管理のための、自分の姿勢と行動を変えるデータや情報であることが絶対条件です。
他人を管理監督することはできないというのがドラッカー教授の哲学です。人は自らを自らでマネジメントする以外にないのです。
そのために不可欠の道具が自己管理のための成果や貢献に関わるデータと情報です。自らフィードバックすることができてはじめて機能するデータ・情報となるのです。
佐藤 等