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マネジメントの組織【経営のヒント 326】

今日から『マネジメント』<中巻>、「マネジメントの組織」第41章の
本文に入ります。

<ドラッカーの一言>
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間違った(組織)構造がもたらすものは摩擦である。
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『マネジメント<中>』 p.195 1973年 ダイヤモンド社

組織構造の原理として「正しい構造が成果をあげることを約束する
わけではない。しかし間違った構造は、成果をあげられないことを
約束する」とドラッカー教授は指摘しました。

そのうえで、間違った組織構造は、「間違った問題を重視させる」と
しました。間違った問題を解決しようとしても、正しい答えは導き
がたいことは容易に理解できます。

さらに「意味のない議論を招き、雑事の山を築く」と指摘しました。
雑事は組織に無用の時間を強要し、生産性の低下を招き、
組織の成果から遠ざけます。

また「強みではなく弱みを強調する」と指摘しました。間違った構造に
より、人が成果に結びつく貢献を行いにくいならば、人は自然と
弱みに目を配ることになります。成果に焦点をあわせることで人の
強みを活用しようとします。悪循環と善循環の一つの原因は組織の
構造にあります。

組織の構造は、組織が小規模から中規模、そして大規模に成長する
際に質的に変えていかなければなりません。その面で難しさが
ありますが、逆にいえば成長にともない組織構造を見直そうという
意識がなければ、間違った構造を手にすることになり、せっかくの
成長の目をつぶしかねません。

組織は道具です。使い方を間違えば、効果がないばかりか、摩擦を
生み逆効果となることもあることを理解しておきましょう。
第48章までひたすら「正しい構造」を求めた旅が始まります。

佐藤 等

ドラッカー教授

佐藤 等

<実践するマネジメント読書会®>創始者。『実践するドラッカー』(ダイヤモンド社)シリーズ5冊の著者。ドラッカー学会理事。マネジメント会計を提唱するアウル税理士法人代表/公認会計士・税理士。ナレッジプラザ創設メンバーにして、ビジネス塾・塾長。Dサポート㈱代表取締役会長。
ドラッカー教授の教えを広めるため、各地でドラッカーの著作を用いた読書会を開催している。公認ファシリテーターの育成にも尽力し、全国に100名以上のファシリテーターを送り出した。誰もが成果をあげながら生き生きと生きることができる世の中を実現するため、全国に読書会を設置するため活動中。
編著『実践するドラッカー』(ダイヤモンド社)シリーズは、20万部のベストセラー。他に日経BP社から『ドラッカーを読んだら会社が変わった』がある。 2019年12月『ドラッカー教授 組織づくりの原理原則』を出版。 雑誌『致知』に「仕事と人生に生かすドラッカーの教え」連載投稿中

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