マネジメントの組織【経営のヒント 326】
今日から『マネジメント』<中巻>、「マネジメントの組織」第41章の
本文に入ります。
<ドラッカーの一言>
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間違った(組織)構造がもたらすものは摩擦である。
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『マネジメント<中>』 p.195 1973年 ダイヤモンド社
組織構造の原理として「正しい構造が成果をあげることを約束する
わけではない。しかし間違った構造は、成果をあげられないことを
約束する」とドラッカー教授は指摘しました。
そのうえで、間違った組織構造は、「間違った問題を重視させる」と
しました。間違った問題を解決しようとしても、正しい答えは導き
がたいことは容易に理解できます。
さらに「意味のない議論を招き、雑事の山を築く」と指摘しました。
雑事は組織に無用の時間を強要し、生産性の低下を招き、
組織の成果から遠ざけます。
また「強みではなく弱みを強調する」と指摘しました。間違った構造に
より、人が成果に結びつく貢献を行いにくいならば、人は自然と
弱みに目を配ることになります。成果に焦点をあわせることで人の
強みを活用しようとします。悪循環と善循環の一つの原因は組織の
構造にあります。
組織の構造は、組織が小規模から中規模、そして大規模に成長する
際に質的に変えていかなければなりません。その面で難しさが
ありますが、逆にいえば成長にともない組織構造を見直そうという
意識がなければ、間違った構造を手にすることになり、せっかくの
成長の目をつぶしかねません。
組織は道具です。使い方を間違えば、効果がないばかりか、摩擦を
生み逆効果となることもあることを理解しておきましょう。
第48章までひたすら「正しい構造」を求めた旅が始まります。
佐藤 等