「規模の適切さ」まえがき【経営のヒント 350】
今日は『マネジメント』<下巻><戦略と構造>の見出し(第53章「規模の適切さ」まえがき)からです。
今日の一言です。
<ドラッカーの一言>
!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!
トップマネジメントの構造、行動、仕事、戦略は、
企業の規模、複雑さ、成長、多角化、イノベーション
によって大きく影響を受ける。
!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!
『マネジメント<下>』p.50 1973年 ダイヤモンド社
『マネジメント』の下巻も中盤です。下巻=第?部全体のテーマは「マネジメントの戦略」です。
前半は「トップマネジメントの仕事と組織」を扱い、後半は今日から「戦略と構造」を取り上げます。
今日の言葉に先立って「一般の工員、職長、キーパンチャー、秘書、冶金の専門家、営業マン、銀行や保険会社の支店長の仕事と責任は、企業の規模、複雑さ、成長、多角化とはほとんど関係なく決まっている」とし、トップマネジメントの仕事との違いを際立たせました。さらに「イノベーションでさえ、人々が影響を受けるのは、それが成功したあとのことである」としました。
したがって本書後半は、企業の規模、複雑さ、成長、多角化、イノベーションが主たるテーマとなります。構造、仕事、戦略はどちらかというと静的なものです。これに対して企業の規模、複雑さ、成長、多角化、イノベーションは動的なものです。あるいは異質あるいは未知のものや事の連続です。
トップマネジメントの構造や戦略を一度決めれば長期わたって影響を及ぼします。それゆえ、トップマネジメントが影響を受けるというこれらのテーマを学ぶことは、とても重要です。次回から順を追って説明していきます。
佐藤 等