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事業というプロセスを業務、仕事、作業に分解する【経営のヒント 570】

ここ数回は、仕事のマネジメントについての原理について書いています。
前回、前々回示した原理は、以下の3つです。
今日は、これらの原理の目的を明らかにしたいと思います。

事業というプロセスを業務、仕事、作業に分解する
<マネジメントの原理33>

作業レベルで改善を行う
<マネジメントの原理34>

改善後の作業を仕事に統合する
<マネジメントの原理35>

これらの原理は、仕事のマネジメントの中核に位置するものです。
しかしこれは手段にすぎません。
目的は何か。
知識労働者は、目的を確認することが重要です。

ズバリ、仕事というプロセスに再統合する目的は、仕事を生産的なものにすることです。
つまり、仕事の生産性を高めることです。

平凡な目的に見えますが、大切なことがあります。
「仕事の生産性」であり「働く者の生産性」ではないということです。
人の生産性ではなく、仕事そのものの生産性を高めることです。
人が仕事を行うという事実から、両者は分離しがたいものですが、仕事に人を配置する
という原理を徹底しなければなりません。
この原理を破ると人が仕事を生み出して非生産的になったり、余人をもって換え難い仕事を
生み出したりします。
これを仕事のマネジメントの失敗を意味します。

人のモチベーション、リーダーシップなどを云々する前にやっておくべき土台が仕事の
マネジメントだということです。
そのなかでも分解と統合は欠かせない手順です。
非生産的な仕事の上に、モチベーションを高めた人何に集めても、生産的な状況は
生まれません。
すぐにモチベーションは下がってしまいます。

今日の原理をまとめておきます。

人の生産性はあがらない、仕事の生産性をあげる
<マネジメント36>

生産的な仕事に人を配置する
<マネジメント37>

ドラッカー教授

佐藤 等

<実践するマネジメント読書会®>創始者。『実践するドラッカー』(ダイヤモンド社)シリーズ5冊の著者。ドラッカー学会理事。マネジメント会計を提唱するアウル税理士法人代表/公認会計士・税理士。ナレッジプラザ創設メンバーにして、ビジネス塾・塾長。Dサポート㈱代表取締役会長。
ドラッカー教授の教えを広めるため、各地でドラッカーの著作を用いた読書会を開催している。公認ファシリテーターの育成にも尽力し、全国に100名以上のファシリテーターを送り出した。誰もが成果をあげながら生き生きと生きることができる世の中を実現するため、全国に読書会を設置するため活動中。
編著『実践するドラッカー』(ダイヤモンド社)シリーズは、20万部のベストセラー。他に日経BP社から『ドラッカーを読んだら会社が変わった』がある。 2019年12月『ドラッカー教授 組織づくりの原理原則』を出版。 雑誌『致知』に「仕事と人生に生かすドラッカーの教え」連載投稿中

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