顧客に価値を提供するために「私はどのような強みを生かして仕事を行うべきか」を問う【経営のヒント 610】
今年最後のメルマガとなります。
セルフマネジメントの領域の原理が続きます。
セルフマネジメントは、ドラッカー教授のマネジメントの体系の4つの柱の一つです。
前回の原理の復習からです。
<マネジメントの原理126>
顧客に価値を提供するために「私はどのような強みを生かして仕事を行うべきか」を問う
前回は、主に「強みを知る」という段階の話をしました。
今日は、「強みを磨く」「強みを活用する」という点について述べていきます。
知ることと磨くこと、活用することは、同じことを別な表現で置き換えたにすぎません。
<マネジメントの原理127>
強みは行動に表れた資質である。
資質はいわば強みの原石です。
たとえば慎重さという資質は、ときに慎重な行動として出現します。
単に慎重な資質のままであれば、周りに何ら影響をもたらすことはありません。
慎重な資質をもった人は、誰も気づかないリスクを見つけてある行動を思いとどまるよう
進言しています。
つまり危険センサーの役割を果たします。
このように資質は、行動に表れない限り、強みとして自分も含めて誰も認識することが
できません。
その行動に価値を見い出せないということです。
細かいリスクにも気づくので、そうでない人には、少々うっとおしいかもしれません。
しかしそれが人の強みを活かすということです。
つまり他人にはないものを活かすのです。
「強みを磨く」とは、意識してその強みを活用することです。
知らない強みは、意識して活用することができません。
普段その強みは使われているので、「意識する」ことがとても重要です。
さて強みを活用すると表現してきましたが、自分の強みを活用する…
これが基本です。
加えて重要なことは、他人の強みを活かすことです。
それがチームや組織の目的です。
<マネジメントの原理128>
チームは、そこに属する一人ひとりの強みを活用し、1+1=2以上の成果を生み出す
ためにある
つまりチームや組織で働くということは、強みを活かすことを前提としているという
ことです。
それゆえチーム全体で「強みを知る」「強みを磨く」「強みを活用する」を行う必要が
あります。
しかし、強みを活かしている組織にそう多く出会わないのはどうしてでしょうか。
光り輝く金脈を多くの組織で死蔵しています。
人の強みを活かすことは、チームづくりの前提条件であると考えて取り組みたいものです。
来年が輝かしい1年になりますよう祈念しております。
よいお年をお迎えください。