成果をあげる能力は以下の5つを中核とする【経営のヒント 612】
昨年末からセルフマネジメントの領域の原理を連続して紹介しています。
セルフマネジメントは、ドラッカー教授のマネジメントの体系の4つの柱の一つです。
4つの柱は、以下のとおりです。
1.事業のマネジメント、
2.仕事のマネジメント、
3.人のマネジメント、
4.セルフマネジメント。
セルフマネジメントの中核は、以下にあげる成果をあげる5つの習慣的能力を身につけ、
これを発揮することです。
<マネジメントの原理102>
成果をあげる能力は以下の5つを中核とする
1.時間を管理する
2.貢献に焦点を合わせる
3.自分の強みを生かす
4.重要なことに集中する
5.成果のあがる意思決定を行う
このメルマガでは、「貢献」と「強み」に関連する原理を紹介してきました。
機能するマネジメントとは、一人ひとりの強みを社会の役に立つようにすることです。
社会の役に立つということは、社会で特定の役割を果たすことです。
具体的には、組織の目的であるミッションを実現することです。
そのためには、組織の成果を明らかにすることが求められます。
<マネジメントの原理12>
マネジメントは自らの組織が目的(ミッション)を果たすために成果をあげる責任をもつ
また組織は器で、その器に入っているものが事業です。このことを表現した原理です。
<マネジメントの原理6>
組織の目的(ミッション)を実現する手段として事業がある
さらに次の2つの原理から一つの原理を導くことができます。
<マネジメントの原理7>
事業の目的は顧客価値の創造である
<マネジメントの原理30>
事業を行うために仕事がある
導かれる原理―<マネジメントの原理125>
顧客に価値を提供するために「私はどのような貢献をすべきか」を問う
価値を提供する手段は事業です。
事業というプロセスは、仕事や作業のプロセスでもあります。
つまり一人ひとりの貢献は、その人が自主的に貢献しようと思うものではなく、ミッションや
成果といったツールで方向づけられた主体的な貢献行動なのです。
そしてその際に次の原理が必要になるのです。
およそこのような原理がつながってマネジメントは、組織の目的を果たし、機能する状態と
なるのです。
<マネジメントの原理128>
チームは、そこに属する一人ひとりの強みを活用し、
1+1=2以上の成果を生み出すためにある
こうして明らかになった自分の強みを生かせて、かつ貢献できる仕事を自ら考え、決定し、
行動し、成果に結びつけるのです。
組織に属する一人ひとりは、こうして明らかになった領域の仕事に「集中」するのです。
成果をあげる能力にある「重要なことに集中する」の「重要なこと」はこうして明らかに
したものです。
「どこに」集中すればいいのかが決まれば、次にどれだけ時間を使うのかで結果が
変わってくるのは自明です。
しかしどんなに多くの時間を使っても集中する仕事を間違えば、結果はあまりあがらない
のも当然です。
全体の復習を兼ねましたので少し長くなりました。
<マネジメントの原理129>
集中は「どこ」に「どれだけ」を決めることである。
長いのですが組織の目的を実現できる理路(論理的説明経路)はほかにありません。
この基本ラインの強化こそマネジメントの基本です。
常に頭に中に入れておきたいものです。