成果中心の精神【経営のヒント 291】
今日も<ドラッカーの一言>は、『マネジメント』<中巻>第36章「成果中心の精神」からです。
<ドラッカーの一言>
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成果中心の精神とは、投入したもの以上のものを
生み出すことである。
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『マネジメント<中>』p.99 1973年 ダイヤモンド社
このあとにとても面白い言葉が続きます。「それはエネルギーを創造することである。そのようなことは機械では起こらない。
エネルギーは、保存はできても創造はできない。投入した以上のものを得られるのは、精神の世界においてだけである」。
エネルギー保存の法則を用いて、精神性を表現しています。
確かに投入したものに倍する価値を生み出す行為は、物理的ではありません。人が考え商品を作り、それを人が購買するところには、精神(脳の使い方)の介在は不可欠です。
しかし精神というと怪しさもあります。続けてこういいます。
「精神とは説教ではない。行動の原理となるべきものである。
それは、訓戒、説教、よき意図ではない。実践である」。
つまり精神とは実践であるというわけです。
投入したもの以上を生み出す行為に不可欠なものは、実践であるというわけですが、その際の心の姿勢が大切です。
ドラッカー教授は3つの点を指摘しました。
(1) | 個人も組織も成果の基準を高くもつ |
(2) | 組織の焦点は、問題ではなく機会にあわせる |
(3) | 配置、昇給、昇進、降級、解雇など人事に関わる意思決定は、組織の信条と価値観に沿って行う |
どの項目もアウトプットは行為、行動、実践ですが、心の姿勢を保っていないと、低い基準、問題に焦点を合わせる、ブレタ人事基準に陥りがちです。
これが成果中心の精神を作るための3本柱です。意外と「なんだ」、と思いませんでしたか。しかし簡単なものほど実践は難しいもの。
毎日毎日の積み重ね以外では生まれません。
取り組みのポイントを工夫して実践をスタートさせましょう。
佐藤 等