成果中心の精神【経営のヒント 290】
今日の<ドラッカーの一言>は、『マネジメント』<中巻>第36章「成果中心の精神」からです。
<ドラッカーの一言>
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組織の良否は、そこに成果中心の精神があるか
否かによって決まる。
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『マネジメント<中>』p.99 1973年 ダイヤモンド社
この章のメインテーマは「成果」です。個人的には、「成果」がドラッカー思想の中核にあると思っています。成果なきところに組織の存続は望めません。また成果があることで一人ひとりの成長が現実のものとなります。これらの成果が積み重なって社会の発展を担保します。
少し大げさにいえば、成果が文明を進展させます。
このように「成果」こそが、世の中を支えている原点なのです。
ドラッカー教授は、成果をあげるべき3つの「領域」があることを示しました。
(1)直接の成果、(2) 価値への取り組み、(3)人材育成です。
(1)直接の成果は、売上、利益、顧客数など一般に私たちが成果と考えているものです。(2)の価値への取り組みは説明が必要です。
ここでの価値は、顧客価値です。これをどのようにアップしていくかですが、具体的にはお客様が支持してくれる理由をハッキリさせ、より強い支持に少しずつ変えていくことです。(3)人材育成については説明の必要はないかと思いますが、(2)同様、長期の取り組みが求められます。
このほか「成果」には「次元」もあります。(1)今の事業をいかにうまくやるか、(2)今の事業からいかにポテンシャルを引き出し、よりよい事業に改善していくか、(3)新しい変化に対して、いかに新しい事業で対応するかの3つの次元です。
「領域」と「次元」、空間軸と時間軸のイメージです。
「成果」については多面的なアプローチが必要です。組織の良否の前に、組織全体が「成果」というものを十分に理解する必要があります。
成果を手にするためには、そこがスタートとなります。
焦らずにジックリと取り組みましょう。
佐藤 等