マネジメントの仕事の設計【経営のヒント 281】
今日の一言は『マネジメント』<中巻>第32章「マネジメントの仕事の設計」からです。<ドラッカーの一言> !☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆ マネジメントの仕事は、常に十分な 大きさのあるものにしなければならない。 !☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆ 『マネジメント<中>』p.33 1973年 ダイヤモンド社この章は「仕事の設計」という言葉が特徴的です。仕事は、組織の目的を達成するために必要な具体的な行動のことです。組織の目的は、使命、ミッション、社会的な役割、存在意義などとよばれます。仕事は、勝手に定められるのではなく、社会や顧客の要請により決まるものです。 したがって効率よく成果を出すためには、「なすべきこと」を仕事として設計する必要があるとドラッカー教授はいいます。 設計された仕事を人に割り振ること、これが適所に適材を配するという意味です。そのうえでマネジャーの仕事は、より大きなものとして設計する必要があるとドラッカー教授はいいます。その理由は仕事が常に挑戦の機会となり、人間として成長することを促進するからです。 より踏み込んでこうも言っています。「マネジメントの仕事は最終の仕事、すなわちその職にある者が退職までとどまるものであることが多い」とし、「数年ですべてを身につけられるほど狭く設計した仕事では、欲求不満に陥る。さしたる働きもしなくなる。いわば職にありながら引退も同然となる」と。 部長、課長、係長、主任などトップに近づくほど数が少なくなるマネジャー職ですが、昇進が頻繁に無いからこそより大きな貢献を果たせる仕事の設計が求められます。そう考えるとマネジャー職は、最初に職に就いたときすべてが出来なくとも許容されるともいえます。少し肩の荷が下ります。いずれにしても「仕事の設計」という今日のキーワードについて一度考えてみる機会をもってはいかがでしょうか。 佐藤 等 |